「ねえ、何処行くの?」
「野球。」
「野球って夜じゃないの?」
「大学野球だよ。AちゃんT大だろ。何故か、僕の大学と同じリーグで今日対戦するんだ。ウチ野球くらいしか自慢出来ないから、見に行きたいと思っていたからさ。」
「へー、そうなんだ。なんか面白そう。」
「学生証見せると、確か100円で入れるんだぜ。」
「うわー、安い。楽しみだな。」
僕は、どうせ出かけるならと野球にしたのである。ところが、
「何これ?これじゃ一緒に見れないじゃん。」
「じゃあ終わったら、ここで待ち合わせ。」
「酷いよ。普通の席行こうよ。」
「高いじゃん。小遣い無くなっちゃうよ。」
「ケチ!じゃあ私が奢るから、ならいいでしょ。」
「ラッキー、じゃあネット裏でもいい?」
「ネット裏?一番高いじゃん。いいわ。行きましょう。」
学生証で入れる学生席は、一塁側と三塁側で分かれるから一緒に見れないのだ。彼女が怒るのは当たり前だが、僕は野球の事しか考えていなかったのである。
「ひょえー、いい女。俺と見ない?」
と、ナンパされたら、
「御生憎様、K君行くわよ。」
と、僕の腕を組み立ち去ると、後ろから、
「彼氏いるのかよ。チェ。身長全然違うじゃないか。」
と、聞こえて、僕がしょんぼりしたら、
「気にしないの。さあ、行くわよ。ネット裏奢ったんだからね。」
「ありがとう。野球いろいろ教えてあげるよ。」
「楽しみ。あはははー。」
と、今度は肩を組んで引き寄せたから、彼女の胸が僕の頭に当たったので勃起してしまったのである。
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