しかし、Hさんから連絡が有った。
結論から言うとお金を貸して欲しい。との事。
「もちろん、君とは長い付き合いだから貸して上げたいけど、ウチの会社の給料知ってるだろ。」
「なんで、逆玉じゃん。必ず退職金で返すよ。」
「あのマンションも妻の実家の持家、義父は真面目な人で楽なんてさせてくれない、男は仕事第一、って言われてたんだよ。カミさんの貯金は見たことないし。だから俺も退職金まで生活費しか無いよ。」
会社は、傾いて来たから、定年を65歳に延長し、ガンガンリストラをしていた。給料も減りもちろんボーナスもほとんど無い。
「君は、転職したから給料上がったろ。」
「確かにやりたい放題で楽しかった。でも結局、オタクの会社からの仕事がほとんどだったから今はヤバいの。分かったわ。ねえ久しぶりに奥さんと3人で会いましょう。」
実は、彼女としばらく連絡を取っていない間に、俺は退職していたから本当はお金がある。でも夫婦のお金には違いないから黙っていた。
妻の入院中に、義父母が亡くなり、葬式から遺産手続きなど全て俺がやり、彼女の信頼を得た。
「なあ、ウチの会社ヤバいかも、今辞めれば希望退職で退職金沢山貰える。だから辞めて、お前の介護をしたい。また再発したら大変だからね。確かに遺産金を当てにして言っている。また入院なんて嫌だろ。」
「そうね。パパも、もういないし。あなたは良く頑張ったわ。辞めていいわよ。介護よろしく。」
と、妻は言ったのである。ヤンチャしてたけど元は頭のいい真面目な女だ。反抗期の育て方を間違えただけである。
そして、俺の退職金と妻の実家の遺産金で富裕層に成っていたのだった。
子供がいない俺達はこのマンションさえあればいいから、彼女の実家はめちゃくちゃ高額で売れた。また、義父の株や投資目的の土地なども売っ払らたのである。
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