足を運んできたこの女性を一目見て思ったことは、自分好み、と言うこと。
凛としていながら儚げに見えるのは長い間、相当思い悩んできたからに違いない。
こちらの問診の中には女性として答えたくはないこともあるはずなのに、気丈に対応している。
いつものように長い説明の後で、診察台に乗ってもらった。
若過ぎず年増とも言えない、両方の良さを兼ね揃えているのに不感症の原因をまずは下がらなければならない。
クスコを挿入し目視で異常のないことを確認してから、消毒と称した愛撫を開始する。
クリトリスへの刺激には反応を示すといった程度で、見せる反応は弱い。
しっかり勃起はしているが、敏感な反応とは言えなかった。
濡れ具合は申し分はなく体は反応をしているが、如何せん膣の反応は極めて弱く、無反応に近いのだ。
諦めずに辛抱強く指を動かし続け、あの手この手を試していくが………。
医師………いかがですか?気持ち悪くなったら遠慮することなく仰っていただいて構いませんからね~
女性………いえ、なんか……すいません
医師………いえいえ、謝らないで下さいね。誰が悪いとかではないんですから。
う〜んなるほど………。
不感症を初日で改善できるとは思ってはいないが、何かが引っ掛かっていた。
少なくとも体は反応を示している。どちらかといえば脳が……いや、心が遠ざけているように思えてならないのだ。
その証拠に、しっかりと濡れているのだ。
医師………ここだけの話、まだ何が話していないことはありませんか?どんな些細なことでも構いませんから。話しにくいことであっても守秘義務がありますから、他には漏れることはありませんよ。
女性………あのっ……原因かどうかは分からないんです。と言うのも、あのっ……セックスの経験が私は遅くて、あのっ……快感……というのもよくわからなくって。あのっ……痴漢の被害にあってしまって、それからセックスをしてもなんか……身構えてしまうというか、そんな感じが抜けなくて………。
頭のMRIが必要かもしれない、その場合はうちは専門外だから脳外科のある病院を紹介しなければと思い始めていた。
やはり心因性からきている、専門外となるか半々だと思った。これは真正面から向き合うだけでは解決できそうにない。
医師………ひとつ提案があります。その前に、何がこうしてもらいたいとか要望はありませんか?
女性………要望、と言われても………
医師………広い意味で治療と考えて構いません。
これは治療とは言えないとか、変な人間に思われるとか考えないで、願望でもがいませんよ。
女性………でも……
医師………あるんですね、何が突破口になるか分かりません。こちらがアレコレ試すのはそれからでも遅くはありません。言える範囲ではありますが過去の患者さんで、その方の性癖にお応えする形で回復された例もあります。
女性………性癖?ですか
医師………はい、表立っていう事じゃないだけで、男女問わずあるはずなんです。それをくすぐるだけで光明が差すなら、恥ずかしいことにはならないと思いませんか?私は立派な治療だと思います。
女性………でも………あのっ……
医師………私の口からは漏れることはありませんよ、絶対に。それに軽薄しないとお約束します。私は笑顔でここを出ていく元患者さんを見送ることが、何よりの報酬なんですよ。
女性………あのっ、それじゃ………試したいことがいくつかあって、本当にお願いしてもいいですか?
医師………まず、仰って下さい。
話を聞いて、願ってもないことだった。
女性のエロチズムも捨てたものではない。
まずはクンニリングスの要望だった。
おそらくは痴漢の被害に合う前に、良い意味でのそういう経験があったのだろう。
まずは時間をかけて舌技を駆使しながら舐めていく。
あまりしたことはないが、わざと派手に卑猥な音を立てたり、クリトリスを吸引しながら突いて叩いて舐め続ける。いい線を来ているがまだ足りない。
クリトリスを攻めながら指を挿入して動かしたが、これも違う。
ならばと目隠しのカーテンに手を潜らせて乳房を揉んでみる。
手を掴まれたので拒絶されるかと思ったが、受け入れたようだ。
服の中へと入れた手がブラジャーに届き、しばらく揉んだ後に押し上げて直に乳房を揉んでいく。
すると彼女が良い反応をみせた。
乳首を指で挟み、摘んで揉んでクネクネと転がす。
女性………はぁ〜……はぁぁぁ~~
いい息づかいが聞こえてくるではないか。
継続して上と下の同時進行の愛撫をしていく。
もう一度、指を挿入してピストンを始めると、彼女の腰がうねり始めてきた。
普通なら痛がるが、クリトリスを吸引しながらもフェラチオの要領で微細な上下運動を施す。
女性………んんんんっっ……んんっんはぁっ………あっ……あぁぁぁぁ……んっんっんっあ〜あっあっあっあっん~~あっあ〜〜っ!!
ブシャーッと顔面に温かい潮が吹きかけながら腰をガクガクと痙攣させる女性がいた。
医師………大丈夫ですか?
女性………あのっ…あのっ…私………
医師………気持ち悪るかったか良かったかでいえば、どちらでしたか?
女性………えぇ?……………後者……です
医師………それじゃあ、もう少し続けましょうか
(クチュッムチュッムチュッムチュッチュ〜ウッ)
女性………え?あっん~~っあっあっあっあっん~~っふっっっぅ〜ん~~あはあはあはっだめ〜っ
いや〜っ……いい〜っあっあっあっだめ〜!!
クリトリスのオーガズムには到達出来た。
問題は、膣のほうである。
女性の許可を得てベニスを挿入したが、快感を感じる兆しは見えたものの、そこまでだった。
その後、来院のたびにクリトリスでは絶頂に達するものの、そこまでなのだ。
落胆する女性に諦めるのは早いと、引き止める。
医師………クリトリスでは快感が得られましたよね?それはなぜだか分かりますか?
女性………そう言われても……そんなこと分からないです
医師………今、少し憤りを感じてらっしゃいますよね?それは露骨に羞恥心を煽られたからですよね?
要するに許容以上の恥ずかしさが興奮に繋がったのだと思いますよ?
女性………そんなことを言われても………そうかもしれないけど………
医師………思い出したくはないとは思います。でもだからこそ考えてみて下さい。
痴漢の被害に合って、非常に不快だったことと想像します。でも、本当は感じてしまった自分を許せなかったのではないですか?
女性………そんなことっ!………そんな………
医師………あなたは全く悪くないんです、悪いのは痴漢以外の何物でもない。もう、苦しむ必要はないんですよ、ご自分を許してあげて下さい。
女性………でも、自信がありません。今、恋人とは微妙なんです。もしセックスでまた同じなら………
医師………前例はないことですが、ひとつ提案があります。予行練習をしてみませんか?
そして最後の仕上げに掛かろうとしていた………。
※元投稿はこちら >>