★ 第六章 身元の確保と身元の保障
家族会議翌日、つばさは両親に伴われ、かかりつけの総合病院へ。そこでは全く信用してはもらえず、精神科まで紹介される始末。
当然のこと両親は憤慨するも、致し方ないと別の方法を模索する。現在のつばさが【つばさ本人】だという医学的な照明が必要なのだ。3人はいろいろ考え、
本人確認にDNA鑑定、血液検査、レントゲン、歯科での治療履歴を思いつく。
まず解決の糸口として、つばさのかかりつけの歯科に行くことになったのだが、これが本当に功を奏した。
確かに顔の骨格はかなり変わっていたのだが、治療履歴から、治療すみとなった一部の歯が間違いなくつばさ本人のモノだという歯科の先生の了承をもらえたからだ。
歯科の先生もかなり驚いていたのだが、つばさの両親の心配ももっともだと、今までのデーターと治療ファイルを添えた紹介状を東京の権威のある著名な先生宛に書いてくださり、
そこの大病院で相談や検査をなさってみてはということになった。
日を改め、東京の先生から指定された日に、東京のとある病院へ家族は赴いた。問診から始まり、内科、形成外科…と一日かけて検査を受けた。さすがに検査が終わるころには
三人ともヘトヘトに疲れていた。つばさは特に内科受診と婦人科での検査がとてもショックなものであった。
女子にとって生殖器をいじられる羞恥心は、格別のモノだったからだ。
結果に数週間は必要だといわれて、とりあえず地元へ帰った。
そして待ちに待った連絡があり、東京の病院へ。
病院につき、なぜか応接間へ三人は通された。著名な先生が中央に鎮座し、看護師長がいて、他に数名いたのにはびっくり。
興奮気味の著名医院長は、周りにいる方たちを紹介し始めた。厚生省、文部科学省、他から数名、自治体法律家関係から数名。
そして結論が3人に告げられた。
医院長: 「お待たせしました。...何と言っていいか...自分も正直、この結果に驚きすぎて!」
「とにもかくにも、あなた方のご子息が、原因はこれから調べますが、ええ、性転換しているという結論に至りました。」
医院長は少し声を詰まらせ、額に汗を浮かべながらそういったのです。
「ですが私も初めての病症、案件なので、ご子息の安全や健康、メンタル面も考慮したうえで、行政の方々にもお力添えをとこうしてご連絡してきていただいています。」
3人はとりあえず結果をきき、自分たちがやっとスタートに立ったような気持ちになった。
~第七章へつづく
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