続き
やっちゃんの色黒で丸い顔立ち
それから、やっちゃんの色黒で丸い顔立ちを集中的にこのモニターに映し出した。そしてクローズアップにしてから見てみた。前髪を垂らした少し長めのオカッパの髪型、少し濃いめの眉毛、細い目、丸い鼻、少し厚めの唇から形成された色黒で丸い顔立ちが拡大した状態でこのモニターに映し出される。でも、両方の細い目はさっきから下へ向いたままのように見えた。やっちゃんはまだ集中しながらスコップでトンネルの穴を掘り続けているのである。それに、無表情な感じで。僕から見れば、この無表情のままの丸い顔立ちが印象的に見えた。暫くしてから、やっちゃんの顔の表情が変わった。どのようにして変わったのか。表情がにこやかになったのだ。やっちゃんは呟いた。「これで完成したわ。」それから、再び口が開くと。「砂場で遊んでいるだけではつまらないから。また、鉄棒でもやろうかな。」やっちゃんがさっき言ったこと聞いた僕は思い出した。いったい何を思い出したのか。母ちゃんが幼い頃に鉄棒が上手かったことを。でも、直接母ちゃんから聞いた話だけど。僕は何気なしに呟く。「やっちゃん、頑張れよ。再びこの僕にパンチラを見せながら頑張って何か鉄棒の種目を見せてくれよ。連続足掛け回りでもいいから。」やっちゃんが鉄棒の後ろへ立つと、にこやかな表情から真剣な表情へと変わったのだ。それから、このあまりにも真剣な表情の顔付きを再びクローズアップで映し出してみれば、そんなやっちゃんの丸い顔立ちにあまりにもお転婆そうな表情があらわれているように思えてならない。「果たして、やっちゃんはどんな鉄棒種目を見せてくれるのだろう。」僕は心臓をドキドキさせながら期待した。
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