箱の中には太いマジックで『夏休みの日記』と題されたノートがあった。箱の見た目に反してノートは最近購入されたものだった。
僕は今すぐにでも読みたい衝動に駆られたが、夜まで我慢することにした。僕は押入れを元に戻すとノートを自分の寝泊まりに浸かっている部屋に隠した。
夜には親戚一同の食事会が開かれ、僕は風呂もすませるとノートがある部屋へ向かった。
畳の上に布団を敷くと僕は寝ながら、部屋に合ったデスクライトでノートを照らした。ノートは右開きで僕は左手の親指をノートにかけた。その内容は・・・
20××年7月30日。俺、野島裕也は親戚の使っていない離れの手入れと祖父ちゃんの手伝いだけの簡単な作業というバイトを聞きつけてこの田舎に来ていた。
しかし、離れの手入れといっても10年以上ほったらかしの庭とでかい畑の草刈りがバイトの内容だった。それを知った俺は心底後悔した。
とはいえバイト代も放置された草の量、畑の広さを考えれば妥当な額だった。だからこそ俺は断らず、最後まで責任を持って草刈りを始めた。
期間は3週間。雲があまりない青空には太陽が照り付けり、何より近い。周囲にはミーンミーン、シュワシュワという様々な種類のセミがけたたましく鳴いていた。本当に騒がしい。マジで地獄だと思った。しかし、俺は高いバイトをするためにこの田舎に来たわけではない。
「いよッ!やってるね。ゆうくん、久しぶり~」
俺こそ久しぶりに聞く声だ。声の主は西嶋かほ。俺の一つ上の従姉で今年、高校3年になる。受験生でもあるが、成績は良く、来年は彼女自身もバイトを兼ねて俺の家庭教師を務めてくれる約束もしている。そんな彼女と数年ぶりに顔を合わせられるという楽しみを持って俺はこの田舎に来ていた。
彼女ことかほ姉は肩と腋の下も見えるブラウスのような服とベルトで固定されたホットパンツにサンダルと言う露出度の高い服装だった。
髪は黒髪のセミロングと幼い頃の印象とあまり変わらない。だが身体つきはほとんど大人の女性だった。
豊満な胸はブラウスから見えるほどの谷間を形成し、四肢もスラリと伸び、腰も綺麗に括れていた。
この熱い中、歩いてきたためか、顔と首筋、腕と胸元には汗の粒が見えた。さらに太陽のおかげで顔と首には影が作られ、それがまた怪しい雰囲気を醸し出していた。そして、ブラウスの豊満な胸の頂は妙に尖っていた。もしや・・・ノーブラ?
とここまで書いてあった。日付は去年のもので内容が事実ならば裕也さんは今年、高校3年でかほさんは彼の家庭教師と務めているはずだ。
何より西島かほという名前には聞き覚えがあった。彼女の武家の当主の孫娘にあたる人だ。
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