さて、ちゃばんは おわりである。
くるまに のりこみ かえるしたくをする。
こうふんから さめ、さむさが あらためて おそってくる。
てばやく かたづけて くるまを はっしゃさせた。
やまみちを はしらせてると ある いちだんに であった。
くるまを ゆっくりすすめて みてみると どうやら
どれいを つれているゆだ。
おれは くらいながらも どれいの かなしげな かおをみて
こころが うごいた。
しゅじんらしき ひとに こえを かける。
どうやら ごきんせいの かんしょを もってた おとこの おんならしい。
おとこは あたまを かちわられ いえに ひをつけられて しんだという。
おんなは あずかりもので これから しょぶんを かんがると いう。
ならば おれに その どれいを ゆずってくれないか? といった。
あいては いっしゅん いぶかしげな かおを したが
くるまの なかの どれたちを みて なっとくしたようで
きんがくを ていじしてきた。
こちらが ほしいと みこんで けっこう ふっかけてくる。
こまった、ここは あきらめようと、さろうと したら、
きんがくを さげてきた。
おんなも こちらのほうが てんごくに ちかいと みこんで
きたそうに している。
おれは いたづらごころが でた。
おんなの らくたんして かなしむ かおが みたくなった。
わたしは なおしぶって みせた。
おんなが どうが おねがいです、と せがんでいる。
もう かおが いまにも なきそうだ。
おれは こうふんした。 ぼっきしてたかもしれない。
おれは ほしい きもちを おさえて
あいての でかたを みた。
もう こんな つかいふるした どれい など どうでもいい。
めしたき ぐらいしか やくに たたぬ。
ひそうな かおをみて まんぞくしたので
ほんとうに たちさろうとすると、
ねがんを また さげてきた。
おれは めしたき おななとして その
おんなを どれいとして てにいれたのだった。
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