米原が出ていった後みさきは改めて名刺に目をやった。
「s工務店名古屋支社 米原 幹夫」大手建設なのかしら。
「ねえ、名刺貰ったんだね・・・あんたに気があるんじゃない、なかなかいい男じゃない」
女店主はみさきに言った。
「そうかしら・・・」
「じゃなかたら名刺なんか置かないわよ」
内心みさきも悪い気ではなかった、歳に似合わぬ逞しい肉体、夫とは比較できない男の色気だった。
一方、米原の方も店を出てからもみさきが気になっていた。
「結構いい女だったな、あのオッパイならFカップはあるな」ニヤリと笑みを浮かべた。
7月30日、米原は建設現場の近くのアパートに引越ししてきた。
アパートの二階は西日が入りクーラーなしでは一時もいられなかった。
近くのスーパーに出かけ買い物を済ませてレジに向かった、するとレジに立つ三人の店員にみさきを見つけたのである。
懸命にレジを打つ立ち姿はあの時のみさきよりきりっととして見えた。
近くから改めて見ると豊満な乳房のうえ尻も大きく見えて三原は暫くジーとみさきを見ていた。
順番が回ってきてみさきと顔が合った。
みさきは驚いた様子で会釈した。
「先日はどうも・・」米原は声を掛けた。
「こちらこそ、ありがとうございます」
「やはりお近くでしたね」
客が後いないことを確認して言葉をつづけた。
「ええ、工事現場見てここへ来るんです、これからここへ買い物?」
「はい、お世話になりますがよろしく」
米原は笑みを浮かべて会釈した。
レジを済ませると「またね」とでも言うように手を挙げて店を出た。
「フフ・・いい女を見つけたぞ、何でも旦那とはすれ違いの様だし」
米原はよからぬ想像を浮かべ車に乗った。
みさきの方も米原と再会できたことに胸をときめかせていた。
なの男性なら浮気もしてみたい・・・いけないかしら・・・
帰宅途中、自転車をこぎながら思っていた。
数日後、レジがすいている時を見計らうように米原はみさきの前に立った。
胸の名札を見て声を掛けた。
「山口みさきさんと言われるのですね」
「はい、山口です」
「今度、食事でもどうです、よかったら連絡下さい」
思いもよらない言葉にみさきは動揺した。
「そうですね・・・また」
照れくさそうにみさきは笑みを浮かべた。
米原も他の店員に気付かれないようにその場を離れた。
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