ハルはコンクリートの深さ30センチほどの水槽のような窪みの底に、手首は万歳のように伸ばして、足首はカエルのようにM字に曲げた状態で鉄の輪で固定された。
さらに腹部も幅10センチほどの皮のベルトで水槽の底に固定される。
その状態でハルの肛門から伸びるゴム管に、ポンプのシリンダーが接続された。
シリンダー部品に2000ccの液体が注ぎ込まれる。
「さあ、ハル。お前の腹が妊婦のようになるぞ。処女で妊娠したと写真に撮っておくかな。」
士官は大好きなオモチャで遊び始める子供のように、はしゃいで見えた。
ポンプのスイッチが入れられた。
ウィーン....、と言う小さな音と共に、シリンダーの液体がハルの腸内に入っていく。
それほど急な速度ではない。
それでも1000ccを越えるあたりから、ハルは腹部の膨張が気になってきた。
お尻の方だけじゃなくて、お腹全体が膨らむんだ..。
最悪腸が破れたら、やはり死んじゃうかもしれない。
小柄な私の身体にどれだけ液体が入るかしら。
腸が破れるのが恐いと考えないでは無かったが、そうしてハルが死ぬと、あの優しい二人の少女を含め100人以上の人が...。
それを考えると、恐かった。
シリンダーの2000ccが空になったと報告を受け士官は、残りの2000ccをシリンダーに入れて注入せよ、と命令した。
またモーターの音がして、ハルの腹が膨れていく。
残りが1000ccになるころは、ハルの腹部は一見して膨張し、腹部を押さえてるベルトが食い込んで痛々しく見えた。
事実、ハルは苦しんでいた。
お腹が破裂してしまいそう..。
胃に入ってる分が吐きそうになる。
お腹を押されているベルトが痛い!
息がしにくい..。
空気を吸い込めないような..。
腸と胃の異常な膨満で、ハルは肺が圧迫されて呼吸さえ困難になっていた。
腸で吸収された水分は、尿となってハルの膀胱から排出される。
その尿はハルが横たわっている水槽の其所に溜まり、ハルは自分のおしっこの水溜まりに浸かっているようになっていた。
ハルの呼吸が吐くばかりで、ほとんど吸い込めない程になった時、士官がポンプのモーターを止めるように命令した。
「自分の小便に浸かって、良いざまだな。ハル!」
士官はハルの膨張した腹部をブーツを履いた足で踏もうとしたようだ。
しかし、ブーツの踵はハルの腹部に巻かれたベルトに当たって滑った。
士官は腹を立てたようで、近くの兵卒にハルの腹部を固定していたベルトを外すように命令した。
若い兵卒がハルの尿に濡れたベルトを外す時、ハルは薄く目を開け、小さな声で「きたなくて..、ごめんなさい..」と謝った。
若い兵卒は、もうとっくにハルは気絶してるものと思っていたらしく、とても驚いたようだった。
ベルトが外されたハルの腹部を、士官がブーツで踏んだ。
破裂させようとしたのか、どのくらい膨らんでいるのか様子を見る程度だったのかは分からない。
ブーツの踵が腹部に食い込んだ時、ハルは激しい腹部の苦痛を感じた。
腹の中で膨らんでる腸が、士官の靴の圧力で、一気に違う方向に動いたようで、ハルは腹の中で腸が千切れたかと思った。
士官が踵でハルの腹を踏んだのは、ほんの1、2秒くらいだった。
ハルは口から胃の中にある水を、血と一緒に吐いてしまいそうな気がした。
士官が踵を除けると、ハルの腹部はグルグルグルと激しい振動をした。
ハルはその苦しさに、手足を固定されながらも、のけ反るように悶え苦しんだ。
その苦しさが一段落した時、ハルは自分の呼吸が楽になっているのに気がついた。
ベルトを..、外してくれたからだわ..。
再び薄く目を開けて、今度は士官の方を見てみた。
士官はモーターを入れるように命令すると、ハルの方を見て、ニヤリ、と笑った。
ハルは6000ccの水を体内に飲み込むことに成功した。
約束どおり、バラックの囚人達は、その日の午後、シャワーを浴び、石鹸で身体を洗うことを許され、さらに衣類の洗濯まで許可された。
ハルはそうなったことを、ずっと水槽の底に固定されて、自分の尿に浸かった状態で士官から聞かされた。
「ありがとうございます。」
自分の尿に浸かったハルから見上げられながら、礼を言われた士官は面白そうに笑いながら、「水じゃなかったな。塩分と糖分を混ぜたやつがいたからな。まあ、良かろう。おかげで私が明日も楽しめる。」と言って立ち去った。
ハルも気がついていた。
リオから「真水より浸透圧が体液に近い液体の方が吸収が早い。」と教えてもらっている。
今日飲まされたりお尻から注入されたのは、味が着いてた。
やっぱりあの下士官さんなんだろうか?
いや、それより一番苦しかった時、なぜあの士官は腹部のベルトを外してくれたの?
しかし、夕方石鹸の香りと嬉しそうな笑い声に溢れたバラックに戻ったハルはもう考えないことにした。
※元投稿はこちら >>