かほさん達の話が強引に終わった後は、自転車で遠くの本屋にでかけた。夜になって屋敷で晩御飯を食べた後は夜のお城と神社が見たくなって再び山に向かった。神社で安全を祈願した後は、かほさん達の事が気になり、古民家がある方に歩いて行った。
桜の花びら、枯れた木の葉が落ちた雑草と月明りで土が少し見える道を静かに歩くと古民家が見えた。
古民家の和室がある部屋に灯りが見えた。行燈をモチーフにした和風照明スタンドの灯りだった。
明るさはかなり強い。
和室の障子は荒組障子というタイプで、竪子(組子という縦の骨組)の数が少なく、かほさんと裕也さんの影をはっきりと映し出していた。
裕也さんは半袖とズボンという姿で、かほさんは蝶結びにしたリボンでポニーテイル、腕まくりをしたブラウスにエプロン、スカートという姿だった。かほさんのほうは布団を敷いている。本当に裕也さんの奥さんに見える。
「お布団敷いたよ」 かほさんがそう言った次の瞬間、
「かほ姉!」
裕也さんがガバッとかほさんに抱きついた。
それを見た僕はドキドキした。これから起こるであろう展開に期待と不安の感情を綯い交ぜにして。
「かほ姉、いいだろう?ここに来てからずっと我慢してきたんだから」
「それは・・・そうだけど、こんなところで」
「大丈夫だよ。この家の周りは桜の木々で覆われているから大きな声なんてかき消されるよ」
僕たちの思い出の桜の木々を防音の障壁代わりにする裕也さん・・・
「最後にしたのは一ヶ月前だろ?それから次にかほ姉と会うまで我慢するって決めて、次に会ったときは・・・」
「・・・・・・・・」
直立のかほさんに抱きつく裕也さん。かほさんは無言のままだ。しかし・・・
「・・・・・・・・・」
かほさんは無言のまま下を向く。その視線の先には裕也さんの股間がある。裕也さんの股間は勃起してかほさんの股間に当たっていた。当たった瞬間、ゴリッとしたズボン越しのペニスの感触に気付いたのだろう。
「いいだろ?小学生最後の時、中学受験の時、ここぞって時に我慢してきたのはかほ姉の『ご褒美』があるおかげなんだから」
「・・・・・・・・・・」
裕也さんの言葉を聞きながら、再び裕也さんの顔に目を向けるかほさん。また顔を赤くさせているのだろうか。
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