「食べに来ましたよ、かほ先生」 定食屋のガラスの引き戸をガララという音を立てながら裕也さんが現れた。
「あっ裕也さん」
「おっ?やあ、太郎くん。君もお昼かい?」
「私のお手製を食してるところよ」
「おっそうか。なら俺はそうだなーシンプルなやつで。あと格安で」
「もうー調子いいんだから」
そう言ってかほさんは生卵2個とベーコンでハムエッグを作った。これも定食屋のメニューのひとつだが、値段は僕よりもさらに格安だ。
「途中で買ってきたこいつも一緒にいいかな?」
裕也さんはそう言うとスーパーで買ってきたであろうサバの味噌煮の缶詰を取り出した。
「定食屋に本来、ありえないけど今は許可します」
裕也さんの行動にかほさんは許可を出した。
裕也さんはかほさんのハムエッグと持参したサバの味噌煮と定食屋の白米をお昼にした。
「ん~やっぱシンプルなやつほど美味い!精がつく料理もいいけど!」
「もう・・・」 精がつく・・・裕也さんがそう言うとかほさんはまた顔を赤くさせた。
やっぱりそういうのも振舞っているのか? そう思った僕は二人を見ながら再び複雑な気分になった。
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