殿様の一行は、2ヶ月の旅を終えて都に到着した。
殿様は政務報告に向かわれ、あとの家臣、奴隷、家畜は荷物整理など雑用に追われる。
はるは都が初めてだ。
旅先では殿様のお伽をする機会もあったが、都ではどうなるのだろう?
古株の話では、殆どの家畜は殿様の所有する農場に送られるらしい。
家の中の仕事をさせてもらえるかは、その農場での働き具合による。
真面目に働くか?手抜きをしてないか?乏しい食事や待遇に仲間同士で不満を言ったりしないか?
そのような選抜もあるが、一番の目的は
「お前達は家畜として働く存在だ。」
と言うことを骨身に滲みて覚えさせるためだった。
これまでの旅では、周囲に民衆の目があった。
だから家畜も最低限の衣服を貸し与えられていた。
しかし、農場では家畜は動物として扱われる。
都の市街地からほぼ1日行程の場所に殿様の農場はあった。
到着すると直ぐに貸し与えられた衣服、履き物は取り上げられる。
その際に、扱いが悪く服が破れたままになっていたりしたら、その場で係の古株の奴隷から鞭打たれた。
係の古株の奴隷は、新入りが来たら虐めるくらいしか楽しみはない。
何も分からなくておろおろしてる田舎の少女を、怒鳴りつけ、鞭打ち、蹴り倒して、まだ柔らかい肌を土まみれにしてやるのだ。
はるは、殿様から借していただいた衣服を、僅かな時間でもあったら丁寧に繕い、自分の飲み水を減らしても洗濯してきたつもりだった。
しかし、係の奴隷は最初から怒鳴り付けるつもりで待ち受けている。
「なんだい?こんなに生地を痛めてしまって!
お前なんかに服を着せてくださる殿様に、申し訳ないとは思わないのかい?」
もともと擦りきれて薄くなった服地である。
はるは、旅の間に覚えたとおりの思考、対応をした。
「そのとおりでございます。申し訳ございません。」
落ち着いた声で謝り、深々と古株の女奴隷に頭を下げた。
前の少女がおたおたしていたのに対して、あまりの落ち着きに、古株の女奴隷の方が驚いたようだった。
それでも気を取り直して鞭を振るって言った。
「さあ、早く脱いでしまいな!」
はるは、脱いだ。
脱いできれいに畳み、それを両手に捧げもつようにして、古株の女奴隷に差し出した。
女奴隷は、また驚き言葉が止まった。
痩せて小さなはるの肌には、すでにいくつもの鞭の痕がつき、左の乳首には銀のリングが嵌まっていたのに気がついたのだ。
※元投稿はこちら >>