代わりの奴隷を殿様の御前に連れて行き、二人の召し使いは控えの部屋に下がった。
部屋には、はるがじっと正座したままだった。
「お前は、今日はよく努めた。
朝まで休め。」
フィンフが声を掛けると、はるは土下座の礼をしたが、顔を床に着けたまま上げずに、小さく身体を震わせだした。
「どうした?具合でも悪くなったか?」
フィンフの問に、はるは顔を伏せたまま答えた。
「勿体..、なくて..。殿様にも、お二人にも..」
はるは、啜り泣いていた。
はるにとって、本当に殿様が神、ドライのフィンフの二人は天使に思えた。
本当に神々しく美しい姿を見せていただいた。
はるは過酷な運命の中でも、感じやすい少女には変わりなかった。
ドライが立ち上がって、土下座するはるの前に立った。
「お前は間違っている。」
いつもの冷静、鋭利な口調だった。
「お前が勿体ないと思うのは、殿様だけの筈。
私もフィンフも、殿様のおもちゃであり、食べ物になる家畜に過ぎない。」
利口なはるは、ドライの言葉の意味は理解できた。
「申し訳ございません。」
ドライは冷たく言った。
「フィンフ、罰を与えよ。」
命じられたフィンフは、はるを立たせると、本当に数回平手打ちした。
さらに薄い胸も打った後、リングの着いていない右の乳首をつねりあげた。
はるの顔が苦痛で歪んだが、見ていたドライには、はるの身体の奥に何かが疼いているのを感じ取れた。
「この娘、心だけでなく、身体もか...」
ドライは、このはると言う少女に、殿様の代理の管理者として以上の感情を持たぬようにと、
自分に言い聞かせた。
はるへの特別な感情を周囲に知られたら、他の奴隷、家畜への影響もある。
はるは、利口な娘だ。
今晩の事を他の奴隷、家畜に話すようなことはないだろう。
しかし、ドライが本当に恐れているのは、
「やがては、殿様のご意志で、私の手ではるの乳房を切り取らねばならないかもしれない..。
この時に、はるに情が移っていたら..」
それが恐かったのだ。
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