はるの絶叫は聞こえなかった。
「ぐっ!ううっ!」「うーっ!」
噛み締めたような声が、はるの唇の脇から漏れはしたが、悲鳴ではなかった。
すでにはるの乳首からは大量の血が流れ、召し使いの手を濡らし、はるの首から顔まで流れ落ちている。
「完全に開きました。錐を抜いてもよろしいでしょうか?」
召し使いは殿様にお伺いをたてた。
錐で貫かれるのも痛いが、錐が肉体の中に入って時間が経つと肉が収縮して錐に絡み抜けにくくなる。
それを引き抜くのも、大変な苦痛を与えることになる。
殿様は膝を曲げ、はるの顔を覗き込んだ。
はるの目は、薄くではあるが開いている。
まだちゃんと意識があり、苦痛のための発狂もしてないようだ。
しかし、そろそろ限界かもしれない。
さんざん少女達を拷問してきた殿様は、経験からそう感じた。
もう一回激しい苦痛を与えたら、精神が壊れて廃人になるだろう。
このはると言う家畜を拷問するのは、かなり面白かった。
今日一度だけで終わらせるのは惜しい。
まだはるの心は壊さないでおきたい。
そのような時は、適当な褒美をちらつかせるのが良い。
「この者に、何か褒美が欲しいか聞いてみよ。」
殿様は年上の召し使いに命じた。
召し使いは、自分の顔をはるの顔に近づけて聞く。
「これに耐えたら、殿様が褒美をくださる。
何が良い?」
はるの精神は、まだ正常ではあったが、意識が途切れ途切れになりかけていた。
「お母さんに..」
はるは小さく呟くように言った。
召し使いが更に聞く。
「母がどうした?
会いたいのか?」
はるはふるふると顔を横に振り、小さな声で答えた。
「私が死んだら、それを伝えてくれますか..」
このような褒美を求めた少女はなかった。
「この者、死ぬ覚悟をしてるらしい。」
そう思った殿様は、即答した。
「よかろう。」
そして召し使いに目で、錐を抜けと合図した。
錐は一気に抜かれた。
はるは持ちこたえた。
悲鳴は上がらなかった。
気も失っていない。
「幼いのに、見事なものだな。」
殿様も感心したように言った。
「よかろう。
よく耐えた。
今日はこれまでだ。
下ろしてやれ。」
見下ろす殿様に、はるが弱々しく返事をした。
「ありがとう..、ございます..」
召し使いが、急いで鎖を緩めてはるの身体を床に下ろすよう男性達に指示した。
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