流寓温泉 流寓旅館
と看板が光っていた。
(こんな所に温泉があるのか~。こんな霧の中だと車も運転できないし泊まれかどうか聞いてみよう。 )車を駐車場に停め、改めて見てみるとずっしりした佇まいの大きの旅館だった。玄関の引き戸を開けて中に入ると誰も居ない。
「すいませ~。」と言うと、奥の方から女の人の声で
「は~い。今行きます。」と透き通るような声がして中から薄紫の着物を着た30歳くらいの色白の綺麗な女将さんが出てきた。その美しさにドギマギしつつも、
「あ、あの今日泊まれますか?」と聞いてみると
「はい、大丈夫ですよ。お泊りになりますか?」
「一泊いくらですか?」
「食事付きで7千円で御座います。」
「(えっ安っ。)お願いします。」
「では、こちらにお名前と御住所をお願いします。」
「こちらのお部屋でございます。」と部屋に案内された。畳の薫りが落ち着きをもたらしてくれる。部屋は広く(この部屋俺一人で使うのは、勿体ないくらいだな。)
座椅子に座ると隣で女将さんが柔らかそうな白い手でお茶をいれてくれた。
座った姿が凛として上品な色気がほのかに漂っている。
こんな山奥に温泉あるんですね、。」
「ここは、別名隠し湯温泉って言われてるんですよ。知る人ぞ知るって感じかしら。と 笑顔で答えてくれた。
「お食事は、直ぐお持ちしますか、後の方がいいですか?」そう言われると、急にお腹が空いてきた。車を運転してて、昼から何も食べてない。
「先にお願いします。」
「わかりました。では、早めにお持ちしますね 。ごゆっくり、お寛ぎください。」その言って女将さんは、部屋を後にした。
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