頭がボーとする。今の自分がどうなっているのか曖昧。不思議なことにTシャツの入っている引き出し、体育着のかかっている机の横、そんな場所は分かるし、髪の毛を簡単にひとつにまとめていた。
階段を降りて、咲良の母親、松本咲に自然に「ママ、おはよ」と発していた。咲良の父親、松本良一が当たり前のように咲良の肩に触れ、自分の胸板に咲良、あたしを引き寄せる。
スキンシップ?と最初思ったが、数ヵ月後気づく。
良一は、咲良の純潔を狙う4人目の男。
彩夏の父親、男である北村健太の記憶が曖昧になっている。2割位?か。8割は小学6年生の咲良が普通に日常を過ごせる記憶。家のこと、友だち、学校のこと。小学生の女の子として、身体の知識。その反面、男の身体、性欲が分からなくなっていた。
彩夏が呼びにきた。「あ、ちょっと待ってて。」そう答えて、当たり前のように赤いランドセルを背負って外に出た。
彩夏は同じ通りのならびに住んでいて、登校班が同じだ。
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