最終話 絆の奇跡
…突然現れたヒューマノイド・ミサキ。
目の当たりにしたヒューマノイドの置かれている今の環境の悪さ。
感情を持つ生命体の死。
その渦に巻き込まれたミサキに、俺も愛理も戸惑いとやるせなさを押し殺すことが出来なかった。
泣き疲れて眠る愛理は最後にミサキと一緒にあげたネックレスを強く握りしめている。
…
目の前で停止し、記憶を奪われたミサキ…
しかし、明日には新しいミサキが誕生する。
せめて、その姿を見たい。
記憶がなくても、ミサキの事は忘れないよ…
…俺もまた眠りについた。
…次の日、仕事が終わり帰宅する。
愛理が何かしている。
?
「あ、タケルおかえりなさい!
ゴメンなさい…気がつかなくて」
それはいいけど、何やってんの?
「ミサキちゃんに…わたしの服をあげたくて…
ミサキちゃんの体格に合わせて縫い直しているのデス…」
しらないうちに裁縫ができるようになっている…
スゴイな…
「昼間、教育プログラムを開いて勉強していマス…
わたしは…早くタケルのお嫁さんになりたいデスから…」
愛理は本当に人間じゃないのか?
と、思ってしまうほどだ。
人間より人間らしい…
今の俺にこれだけ前向きに生きていけるだろうか?
一生懸命にミシンと格闘する愛理の後姿がひときわ愛おしく思えた。
「タケル…ミサキちゃんに会いに行きましょう…」
愛理は縫い終えた服を袋に入れ立ち上がった。
…
俺達は薄暗い夜道を保護センター目指して歩きだした。
ヒューマノイド保護センターはヒューマノイド駆け込み寺と言われていて、24時間開いている。
鏑木先生は今晩には起動すると言っていた。
とりあえず、行ってみよう。
…
「鏑木先生、昨日のミサキさんを保護した方がいらっしゃいました…」
「お通しして…」
俺たちは保護センターの奥の部屋に通された。
「大和さんでしたね。
ミサキさんに会いにきてくれたのですか?」
ハァ…こいつが心配するもんですから…
「タケルだって心配してるじゃない!…ゴメンなさい…」
愛理がすかさず突っ込む。
「あなた方、本当に仲が良いですね(笑)
大和さん、あなたはヒューマノイドを長く育てられているのですか?」
とんでもない!
まだ半年未満です(汗)
「そうでしたか。
あなたは不思議な方ですね。
どうすればこんなにヒューマノイドに好かれるのか研究者として興味があります。」
え?
それはどういう意味ですか?
「結論から申し上げますが、ミサキさんは介護支援ヒューマノイドにはなれませんでした…」
え!?
なんでですか?
「じゃあ…ミサキちゃんは…」
「初期化して新しいOSを入れたのですが、何故か初期化し切れていないバグが発生してしまい…介護支援ヒューマノイド試験に落ちてしまったのです…」
え?
なんで…じゃあ…ミサキは?
…
「タケル♪!お姉ちゃん!♪」
…!?
振り向くと…ミサキがいた。
ミサキが…笑っていた…
おい、ミサキ…ミサキだよな…
「あ~またオバケ扱いしてる(笑)
タケル…」
ミサキが抱きついてきた…
ウソじゃないよな…
「ミサキちゃん…」
「お姉ちゃん…また泣いてるし(笑)」
先生!
どういう事なんですか?
「私もこういうケースは初めてなのですが、どうやら完全初期化を彼女のAIが拒み、あなた方の記憶だけは残ってしまったようなのです。
しかし、既に新たに介護支援ヒューマノイドの認識コードも発給していますが、以前の記憶が残ったままで、介護用ソフトがAIに入り切らないのです…
だから困ってしまって。」
なんて事だ…
じゃあミサキは…生きていけるんですね!
この先も。
「ハイ。それに関しては何にも問題はありません。
異常があればヒューマノイド・ラボで修理できます。
ただ、介護できない介護支援ヒューマノイドという極めて例のない状態です。
このままでは厚労省の認可が取り消されて識別コードを失い兼ねません…
この事態を打開する方法は一つです。
然るべき保護者の元、然るべき介護プログラムの習得のための学習を行い、試験をパスする事です。
介護用でないOSで介護プログラムOS並みの知識量と経験を積ませるのは並の事ではありません。
が、これが実現すれば他の保護ヒューマノイドも記憶を失わないまま介護職に就く事ができます。
ネオ・ヒューマノイドになるのと同様の狭き門になるでしょう。
私達研究者としては是非バックアップし、経緯を観察したいのです。
大和さん。
あなたがもし、このミサキさんの保護者になってくれれば、彼女はあなたのためにもこの試練に立ち向かうでしょう。
ヒューマノイドを2体養うのは経済的にもかなり大変です。
ヒューマノイド税は自動車税並に掛かりますし…」
俺は…
ミサキの保護者になります!
ミサキを必ず介護職試験にパス出来る学習をさせます!
だから、お願いします!
「…タケル…」.
「タケル…わたしも協力しマス!働いてタケルにの負担が減るように頑張ります!
だから…先生、ミサキちゃんに介護プログラム学習をしてあげて下さい!」
…
「大和さん…
では、ミサキさんをよろしくお願いしますね。
毎日ここに通わせ、家でも様々な学習が必要になります。
大変ですが、一緒に頑張って下さいね!」
はい、わかりました!
「ミサキちゃん!良かったね!良かった!」
「ちょ、お姉ちゃん…痛いって(笑」
二人は抱き合って喜んでいる。
鏑木先生も笑っている。
「大和さん、私はヒューマノイドAI進化研究の一環として、この経緯を観察させて頂きたいと思います。
同時に研究協力して下されば月々に幾許かの研究謝礼もご用意できます。
少しは経済的負担が減ると思うのですが、ご賛同頂けますか?」
本当に?
是非協力させて下さい!
…
なんと…奇跡が起きた…
ミサキの記憶が…生きていた…
そして、努力すれば…彼女は生き続けて行く事ができるのだ!
俺は…経済的に苦しくなるだろう。
だけど…愛理とミサキ…
大切な家族として養っていく必要がある。
「大和さん…実はこのミサキさんのネックレスなんですが…」
鏑木先生が俺がミサキに与えたネックレスを差し出す。
「このトップにある石はトルマリンですね。」
はい、地肌が黒いミサキに似合うかな、と思ってあげたものですがなにか?
「これは推測ですが、大和さんは記憶媒体という言葉を知っていますか?」
はい。
昔あったUSBメモリーやSDカードとかの外部メモリーの事ですよね。
今はクラウドに押されて殆ど見かけませんが…
「はい。実はこういった鉱物には記憶媒体としての働きがあるのでは?と昔から言われています。
もちろんオカルト的な要素は否定しませんし、私も鵜呑みにはしていません。
が、もし、ミサキさんにあなた方の記憶を失いなくないという強い意志がこの鉱物に反応し、微弱電流を発生させ、AI完全初期化を阻害した、という仮説ができるのです。
もちろん立証は不可能ですし…
もし、その仮説が正しいのなら、バックアップ不能と言われているヒューマノイドAIの記憶バックアップの研究にも役立つかもしれません。
このネックレスをミサキさんに返してあげて下さい。
そして、愛理さん共々、ミサキさんも大切にしてあげて下さい。」
…
俺たちは保護センターを後にした。
「ミサキちゃん!すっごく似合う!」
「お姉ちゃん…恥ずかしいよコレ…」
愛理がミサキにと縫い直していた服はメイド服だった。
なぁ、愛理。
なんで介護職のミサキにメイド服なんて作ったんだ?
「だって介護職はご奉仕の仕事デス。
ご奉仕といえばメイドさん…」
…
「…」
フハハハハハ…
「ぷっ、お姉ちゃん、その思考おかしい…ハハハハハ」
「なんでデスか!?なんで笑うんデスか!」
久しぶりに楽しくて、嬉しくて笑えた。
夜道を歩いていると二人が両腕を掴んできた。
「タケル…ありがとう…アタイ…戻って来れたよ…」
「やっぱりタケルは…最高のご主人様デス!」
「ちょっとお姉ちゃん、あんまりタケルとベタベタすんなよ!」
「だってわたしの恋人、将来の夫ですもの、ね!タケル!」
「アタイだって、将来タケルの介護するんだし!ね!タケル♪」
…最高に嬉しくて…
家に帰ると…
「ホラ…タケル…わたしのおマ○コの方が美味しいデスよ!」
「タケル…チンポ入れて…アタイのマ○コに!」
二人のおねだりに交互にチンポを入れる!
「ひゃぁん…タケル…もっと突いて下さい…」
「アタイのも…もっとぉ…」
ハァハァ…
身体持つかな^_^;
ほら、愛理、ミサキ、二人で俺を気持ちよくして…
「ハイ…」
「はい…」
抱き合う美人二人の貝合わせでチンポを挟む…
愛理とミサキは抱き合い、激しくキスしながらチンポを刺激する。
「出して!いっぱい!」
「タケル…チンポスッゴいカタイし…アタイ…こんな興奮するセックス初めてだよ!
だって…こんなに可愛い二人に…こんなエッチな事をされて…
堪らないよ…
「嬉しい…いっぱいタケルを喜ばす勉強もしマスね…はうん…」
「アタイもぉ…介護の勉強しながら…タケルを喜ばして…いっぱいいっぱいいい子いい子してもらうんだ…ハァハァ…」
出る…
ビュクッ!ビュルルルルッ!
こうして将来を夢見るヒューマノイド 愛理とミサキ、
そして俺の3人の生活が改めて始まる…
が、俺の腰…持つかなぁ?^_^;
終わり
長らく読んで頂きありがとうごさいました。
m(__)m
エロ男爵
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