あの夜、ぺニスが消えてしまった夜、あの物体が何者かわからぬまま姿を現さなくなった。気を失う寸前、心に聞こえた。仕上げは人間の男に・・ その意味が気になっていた。
温泉当日迄どうするか悩んだが、風呂に入らなければ誰にも知られないと思ったのだった。
当日、亮の車であちらこちらと立ち寄り、旅館には17時頃に着いた。
[亮、ずいぶん古い旅館だなぁ~]
「俺は古い木造造りの宿が好きなんだ。」
[へー。まぁ俺も嫌いじゃないよ亮]
そう答える貴司だった。
到着するなり亮は風呂に行こうと貴司を誘った。貴司は後で入るよ。亮が風呂から戻ると貴司は浴衣に着替えていた。
「あれ貴司風呂入ったのか?」
[いや、着替えただけだよ]
亮は貴司の後ろ姿を見てドキッとした。窓の手摺に肘を掛けて前かがみになり、景色を眺めている貴司の丸い尻が不思議な程に色っぽく見えたのだった。
夕食は他の客と同室の広間。客と言っても老夫婦二組と貴司達だけだった。呑みながら夕食を済ませ、部屋で飲み直した。テレビを観ながら23時頃には亮が寝てしまった。貴司は深夜一時頃までテレビを観ていた。
亮が眠ってから露天風呂に行こうと思っていた。熟睡してるのを確認してから貴司は露天風呂に向かった。
脱衣場の引戸をそっと引き、誰も居ないのを確認してから浴衣を脱いだ。パンツはトランクス派ではなく、ビキニを好んで穿いていた。尾てい骨辺りまでのビキニだったが尻が大きくなった事で更に下まで下がり尻の割れ目が出てしまっていた。
脱衣場から露天風呂に入り、また誰も居ないのを確めた。
[良かった誰も居ない。客は俺たち以外老人夫婦の四人だけだし来ないだろ]
身体を洗い広い岩風呂に浸かった。
[あぁ~いいねぇ]
そう口走った時引戸を引く音が・・
[あっ・・亮]
「何だよ一人で、起こせば良かっただろ」
[いやぐっすり眠ってたから]
貴司は顔を下に向けた。前も隠さずぺニスをブラブラさせて近づいて来る亮の股間を恥ずかしくて見ていられなかった。真の男同士でも眼を背けるが、貴司自身その思いとは違った。女から見る男の股間の気がしていた。
亮は湯船に寝転ぶ様に貴司の右隣に浸かり、腰を浮かせぺニスを湯の上に出す様にぷかぷか浮かせた。
「お前もやってみ。潜水かーんって子供の頃やんなかったか?」
[何言ってる、俺は大人だ]
「なら大人の見せてみよ。俺のとくらべっこしようぜ」
すると貴司が言った。
[比べられないんだ。俺のと亮のは違うんだ]
「違うってどう違うんだよ。見せてみろよ」
貴司はうつ向き[なぁ、誰にも言わないでくれ。]
「あっあぁ。何だよそんな深刻な顔して。」
貴司は尻を向ける様にゆっくり立ち上がり亮に向けて身体を回転させた。
そして タオルを湯に落とした。
「嘘だろ・・貴司・・どうして、何で・・」
[俺にもわかんねぇ。あのマンションに住んでから不思議な夢を見たんだ。]
そう言いながら湯に腰を下ろした。
「夢って何だよ」
[上手く説明出来ないよ。とにかくこれが現実なんだ]
「お前平気なのか?女じゃねえかよ」
[平気なはず無いだろ。戻りたくてもどうしたらいいのか、相談さえ出来ない]
涙を流しながら睨む様に打ち明けた貴司だった。
[俺・・もう出て寝るよ]
「あっ・・あぁ」
亮はどんな言葉を掛けたらいいのか・・只出ていく貴司の後ろ姿を見ているしか出来なかった。
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