羞恥から伏せ目がちになり、腿の上に置いた両手に握りこぶしを作る。
暫くの沈黙の後に、男性の手が腿に置かれた悦子の握りこぶしの上に、そっと重ねられる。
「私も、奥さん以上に緊張してます…」
悦子の羞恥は更にたかなり、意味もなく顔を左右に振る。
いつしか男性の手で、悦子の拳を解き放たれ指を絡め握り合う。
その手を引かれ悦子の体は男性に寄り掛かる姿勢に成る。
「奥さん…」
男性の息が感じられる距離に近付いて来る。
「やはり、こんな事…主人に申し訳ないゎ…」
消え入りそうな声で言う。
「奥さんと知り合って、いつしか奥さんと、こう成りたいと思うように成ってました」
「私も貴方の事が好きじゃ無かったら、こんな場所に着いて来なかったけど…でも主人に申し訳ない気持ちが」
躊躇いが続く中で男性の唇が悦子の唇を捉えて来る。
拒みきれずに悦子は男性の唇を受け入れる。
五十路に成った悦子は、夫では感じた事の無い、キスの甘さを感じてしまう。
夫を裏切る罪悪感の中で、悦子は次第に男性とのキスに酔いしれて行く。
衣服の上から男性の手が悦子の体を這い回って来る。
スカートの裾から男性の手が腿に忍び込もうとするのを、悦子は必死で押さえ進入を拒もうとして来る。
「お願い、シャワーを浴びさせて…」
哀願するように悦子が言う。
脱衣場で一人に成った悦子は鏡に向かい、心の中で夫に謝って居た。
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