空想・幻想小説

昨日木曜は空振りであった。
今日金曜はどうだろうと思いながら、19時7分の電車で帰るゼツ。

改札の前でリップの姿を探すが今日も降りて来ない。
リップの家を確認しに行こう！

途中、個人商店に入り缶コーヒーを買う。
コンビニで買うより安い。お菓子にしろ日常品にしろ物によってはコンビニより30円は安く買える。表通りならもっと流行るのにとか思いながら

マンション下から缶コーヒー飲みながら203号室をチェック。
実際は犯罪まがいのストーカーであるが、ゼツは張り込み中の刑事みたいと自分を美化する。灯りは点いてない。

しばらく待ってみるか

だが

誰かに見られたら明らかに変である。と思い直し、マンションの出入り口付近の壁や天井部分に目をやる。

防犯カメラはないみたいである。
それを確認するとマンションを背に帰り出す。
マンションと個人商店の中間に今は使われていない月極めの駐車場がある。
どうやらマンションでも建てる計画があるのか、中ほどにプレハブ小屋があり資材が置かれている。場所がある。

そのガレージらしき敷地は相当に広く、回りの住宅街からも隔絶したような空間である。


帰り道すがら前からリップが帰って来そうな気配もなく

今日も空振りで帰宅するゼツであった。



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