お彼岸を迎えた玲子は車で一時間もかかる夫のお墓参りに赴いた。
夫 公男は長男ということもあり、先祖が眠る在所の墓に納骨がされている。
寺の境内を通り百坪に程の霊園はひっそりとしていた。
久しぶりの墓は枯れた花と線香の残り粕が放置されていて、誰かがお参りにきた形跡は無かった。
新しい花を供え線香が立てられると玲子は手を合わせて夫との再会を果たしたのであった。
帰ろうと境内を通る時、作務衣を着た住職が玲子に声をかけた。
「もし、紺野さんでしたね 遠い所ご苦労様です」
住職は葬儀以来二度ほど会ったことはあるが一年ぶりで記憶が定かではない、しかし住職は玲子の顔をしっかり覚えていたのだ。
「ご無沙汰をしております、その節はありがとうございました」
玲子は深々と頭を下げた。
「いやいや、どうですかお急ぎで無いなら本堂にお参りされませんか」
住職は気安そうに話しかけた。
「そうですか、それじゃあお参りさせていただきます」
玲子は住職の後に付いて本堂に上がった。
けっして大きくはない本堂、そして粗末な創りはひと目で分かった。
「最近は檀家様も少なく金も集まりません、私は今寺をかけもちでお勤めしております」
「そうですか、それは大変ですね」
「オクリがまた病弱で今 向こうの寺で養生しております」
「それはお気の毒です、まだお若いんでしょう」
「いえいえもうばあさんです、私より5歳も上なんです」
そう言ってお茶を振舞うと言い残すとおくに入っていった。
{いい後家じゃ、このまま返すには惜しいムラムラしてきたぞ}
住職はお茶に数適の液体を垂らした
「お待たせした、粗茶ですがどうぞ」盆に乗せた湯のみ茶碗を差し出した
「すみません、遠慮なく頂きます」
玲子がお茶を飲み干すのを見届けて住職はお経の支度にかかった。
そしてしばらくの間お経を詠む声が本堂に響いた。
お経が済み住職は振り返って玲子の様子を垣間見た。
正座の姿勢は崩れ目はうつろになっている。
{そろそろかなウフフ}
玲子の後に回り支えるように抱きかかえた
「どうだこのすべすべした肌、ええ乳しておるわい」
住職の手が玲子の喪服のファスナーに掛かったのであった。
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