空想・幻想小説

静子は洗面の鏡で化粧を整えた、部屋を出てエレ
ベーターの前には志乃達が待っていてくれた。
一階に下りるとバスで一緒だった建設会社の男達
が声をかけてきた。
「姉さんたち、どちらへ行くの」と尋ねた。
志乃が「外にのみに行くけどあなた達は」と問い
返した。
「俺達も・・・じゃあ一緒に行きますか、マイク
ロが今来ますから」
手際よく事が進んだ。
バスは9人で街外れの店に着いた。
店の中は薄暗く2,3人の客が飲んでいた。
地元の人らしく静子たちをキョロキョロした様子
で見ていた。
　「さあ、飲もう、オイ若いの注文をとれ」
年配の男が采配をふった。
30代の若い男が静子たちの注文を取って運んだ。
「いい男ね、名前何と言うの・・」
「裕也でーす」と笑って答えた
すでにほろ酔い気分の女達は男達に奨められるま
まにグラスを空けた。
「もう、フラフラだわ」土田がねをあげた。
志乃は男とダンをしている。
時計は10時過ぎて地元の客は出て行った。
「お姉さん、大丈夫ですか、僕が一曲唄います」
裕也はマイクを握った

　尾崎豊・卒業
静子はこの曲が若い頃から好きだった。
「ステキ」静子は叫んだ
裕也は声を張り上げ唄いつめた

「どうでしたか・・・」
裕也は静子の横にぴったり付いて座った。
甘すっぱい女の体臭と
浴衣から伝わる熱い体温が裕也を誘うのであっ
た。


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