その数日後 佃は家を空けた。
留守をあずかった午後、チャイムで直子は玄関に出た。
宅配の男は直子を見るといぶかしげに声を掛けた。
「娘さん・・・佃さんは一人住まいばかりと思ってました」
そう言って小荷物を差し出した。
「ありがとうございます」
直子は丁重に小荷物をうけ取った、小荷物の差出名は精竜堂とありあて先の連絡場所も明記してあった。
直子は暇と好奇心で連絡先の電話番号に電話をかけた。
「モシモシ、そちら様の取り扱い商品のこと教えてください」
受付の女性は丁重に応えた。
「こちらは主に精力剤と夜の友、いわゆる大人の玩具など扱っております、女性用もございます」
その返事に直子は赤面して電話を切った。
この小荷物の中身が何であるか想像ができた、佃が直子に寄せる気持ちが妙にうれしかった。
佃はタクシーで夕方ご機嫌で帰った。
「旦那様、小荷物が届いています」そう言って直子は佃に差し出した。
「ありがとう、もう届いたか・・・・」
うれしそうに小荷物を受け取った。
「何ですの贈り物は」直子はいたずらぽく聞いた。
「へへへ・・・内緒だ、直子さん食事まだかい」
佃はいつになく元気な様子だった。
そして・・・・その数日後、台風の影響を受けた風雨の強い夜のこと
佃の忍ぶ足が直子の寝室へ向かうのでした。
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