数日後、美鈴は蛭川からいつぞやのテーラー店から商品の出来上がりの連絡を受けた。
当日、蛭川に連れられる美鈴は、まるで死刑台に上がる前の死刑囚の心境のようだった。
「あ〜、いらっしゃいませ〜、あら朝比奈さんと蛭川さん、お待ちしてたわよ〜」
「ど〜も連絡ありがとうございます〜美鈴ちゃんも楽しみにしてたみたいですよ〜」
「早速だけど、これ、仕上がりの商品ね」
上下10着の服が並べられている。
服は畳まれていて全ては分からないが、その中の一部は一目で生地の薄そうな物や頼りなさそうな物まであった。
「あ…ありがとう…ならお支払いしてもう…」
美鈴としては早く支払いを終えて受け取って帰りたかったが、そうはさせない女店長と蛭川だった。
「それよりどうかしら?是非良かったら、一度どれか着てみたらいかがかしら?」
「そうだね~そう言ってくれるんだし、もちろん早く着てみたいよね〜?」
そう促されるとNo.と言えない立場なのは美鈴も分かっている。
「…そう…そうね…今、着てみても…い…いいわね…」
女店長は、数ある畳まれている服の中から一部を手に取り、
「これなんかどうかしら?美鈴さんのリクエスト通り仕立てててみた一つのよっ」
と告げてその一枚を両手に広げる。
それは一見普通のブラウスだが明らかに生地が薄い。
その上、襟ぐりが深く開いて作られている。
それに合わせるというスカートも一見普通の膝丈の長さではあるが、裾から幅の広いスリットが深くかなり上まで入っている。
(何よ…この服…これを…今から私が着るって言うの…?)
今の格好なら、下着を着けていないとまでは分からないはずだが、これを実際に着た自分を想像すると顔を赤らめてしまう。
「あっそれとゴメンナサイね、今は試着室が荷物で一杯なのよね〜 だからこの場で着替えてもらえるかしら?」
いくら他にお客がいないからといって、店の通路で着替えるなんて美鈴にとってはありえない。
美鈴は思わず蛭川に目でチラッと助けを求めるが、当然逆効果だった。
「そっかぁ、試着室が使えないんかぁ〜 仕方無いからここで着替える?どうする美鈴ちゃん?」
と女店長に同調してわざわざどうするか聞いてくる蛭川の言葉も、美鈴にとっては理不尽な命令も同然である上に、美鈴の怪しいスイッチも入りだすのであった。
「そ…そうね…それは…仕方が無いわよね…仕方が無いから…ここで…失礼させていただくわ…」
と、上着のジャケットを脱ぎ出す。
(…あぁ…本当にこんな場所で私脱ぐの…?駄目よ…やめなさいっ…しかも誰か他のお客さんが入ってくるかもしれないのに…でも、仕方が無いのよ…これはしょうがない事なのよ…)
自分でもよく理解出来ない葛藤を続ける美鈴の指は、ブラウスのボタンを外し出しノーブラのオッパイをさらけ出していく。
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