現代文学の研究に実績があるとはいえ団鬼六に没頭する裕子に恩師は失望していた。
いくら鬼六に文才があるとはいえアラフォーの女准教授だ。いつか世間の悪い意味での注目を浴びるのではないかと心配していた。
立石は反対にいつか裕子主演で鬼六映画でも出来ないものか、美人准教授ならマスコミも注目するだろう。
最低でもアダルトビデオの女優にでも転落させたい。今は裕子の後釜を狙う気持ちも無くなった。
裕子が生きている限り裕子の飼い主としてそういう業界に売り込むのが夢になっていた。
大学に映画を製作するクラブというか同好会があることを立石は知った。何気なく探りをいれていた。
ゼミでは毎年4回、春夏秋冬に書く一度コンパが行われていた。飲み会だか今年からは年8回。
単なる飲み会でなく発表会の場にも成りつつあった。
その年裕子は38歳に成っていた。美人准教授は酒乱だと言う噂が流れだしていた矢先の発表だ。
場所は古くから大学生に人気の寿司屋の2階だ。以前立石が助手に成りたての頃、事務員の若い女が酒乱でゼミのコンパで
酔うといつも全裸になっていたことを思い出し店を経営する家族も大目に見て貰ったのでこの店を選んだ。
始めは団鬼六の朗読から始まったが次第にエロチックなムードが漂ってきた。
「石川先生は比較的筋肉質の体をされているので静子夫人より女剣客がいいと思います。」
「僕は満座の席で肛門からゆで卵を産む芸を演じるお蘭が見たいです。」
裕子は立石に睨まれ逆らうことが出来ず酔った振りをして立ち上がった。
「何てことを言うの。米沢君。私に素っ裸になってお尻の穴から卵を産めって言うの?」
「裕子先生にはみんなが卒業するまでにそんな芸が出来るように頑張って貰おうじゃないか?」
「先生。宿題ですよ。是非卒論に参考資料として載せますからね。」
「随分盛り上がってますね?先生もう一本。」店の娘と言っても裕子と同じ年齢くらいか打ち合わせ通り
水の入った徳利を渡すと裕子は一気飲みし学生たちは始まったことを確信した。
「裕子の脚本が不評のようで今回は映画同好会の方々のお力を借りました。」
「監督の溝口です。裕子先生はじめ皆さんには各自役がありますのでよろしく。」
「カメラマンの北村です。本格的なビデオを持って隣の部屋から入ってきた。
「<新無残花物語>スタートします。あるお方の仇を討つため国を出たお裕は敵方の卑怯な罠に掛かり
妹とその婚約者と共に素っ裸に剥かれ言語に絶する辱めを受けますがいつか敵の責めを待ち焦がれる体になります。
映像的にこの方がお裕の羞恥を煽ると思い引き回しの前に剃毛を入れました。
裕子は裸を見るのは初めてでは無かったが今回は違う。、、剃毛?
「剃毛に時間が掛かると思い剃ってきました。」
夏だから不思議ではないが裕子一人白色の浴衣を着ていた。
「せっかく死に装束を与えて下さったのにお紋さん。お裕は死ぬ時も素っ裸で死恥を晒す運命でした。」
「お武家の奥様が素っ裸で町を引き回される。さあさっさと素っ裸になりな。」
映画同好会から数人女優も呼ばれていた。
裕子は一気に浴衣を脱ぎゼミの学生たちや立石の前に剃毛された全裸を晒した。裕子の心にも変化が表れ始めたのもこの頃だ。
「立石様。謀反を企み源五郎一家の皆様に多大なる迷惑を掛けた大悪人のお裕。磔になる前にお裕を引き回して下さいまし。」
立石に引かれ隣の部屋の先にある階段に続く襖にたどり着くまで裕子の全裸の後ろ姿をカメラが追う。
次に1階に待ち構えていたもう一人のカメラマンは階段から降りて来る裕子を捕らえていた。
立石が先に1階に到着すると裕子の剃毛された全裸の正面像をカメラは納めた。
カウンターに10人満席。二つある座敷席も4人ずつ合計8名で一杯だ。
店の常連で裕子とも顔合わせ済だ。
「来たぜ。お武家の奥様らしいぜ。」
「いい女じゃないか。」
「謀反を働きこの度素っ裸で大
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