彼女は車内のアナウンスが流れると同時にスクッと立ち上がり、扉の前に移動した。
次の駅で降りる事は知っている。
私は停車後、扉が開くのを待って立ち上がり、彼女の後を追った。
各車両からポツリポツリと出てくるのは、ほとんど女性ばかりだ。
私は足早に改札に流れ込む女性の波をすり抜けながら彼女の後をつける。
私の後ろから改札を抜けた女性達が疎らに続く、緩やかな坂を上がって行くと道は二又に分かれ、左側は黒御影石で出来たピンコロ石が敷かれた緩やかな石畳が続く。
彼女は石畳をに入り坂道の上で姿を消した。
早世智成は立ち止まり、坂の上にそびえる女子大を見あげた。
早世は暫く女子大を見つめた後、今後の計画を練りながらサッと踵を返し来た道を戻り、駅でタクシーを拾って会社に向かった
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