不意をつかれた事態に「うわっ」と大きな声を上げると同時に「きゃー」と悲鳴が上がる。
簡易的に設置されたライトは角度がおかしく、逆光で相手がよくわからなかった。
一瞬だった様な…数秒止まった様な…お互い固まった。
相手は「ごめんなさい」と叫び私に正面を向けながら回るようにすり抜けていった。
私は目で相手を追うとライトの明かりの下に姿を現しサッと横切る。
その瞬間、裸の女だった事がわかった。
裸と言っても両手で隠していた様で本当に全裸かどうかは確信をもてない。
人間は予期できない事態に直面すると反応できない事がよくわかった。
ハッと冷静さを取り戻す。
アダルトサイト投稿でよくあるやつ!
絶対犯していいやつ!
興奮してすぐに振り返り追いかける。
公園の外には出なかった気がした。
トイレの裏側に回った途端、壁に指をぶつけて突き指し、地面の盛りあがった傾斜に躓き、膝から前のめり転倒。
ライトを直視したせいで目が眩んで目を凝らし暗闇を見るが何も見えない。
エロへの執着心は強いがさすがにどうにもならなかった。
視界が回復するまでに1分くらい経っただろうか…
せっかく巡ってきたレアチャンスをみすみす逃した事が悔しすぎてスマホのライトを照らしながら暫く辺りを歩き回った。どこからか抜け出したんだろうと公園を囲う生垣を辿っていくと一箇所だけ途切れた場所を見つけ、私はそこから外へ出て周囲を見回した。
しかし、既に人影もなく、静まり返った真っ暗な住宅街が広がるだけだった。
「クッソ」あまりの悔しさで声に出てしまう。深いため息をついて、そのまま帰宅した
※元投稿はこちら >>