絶対に誰かいる。
恐怖感で体が動かない。
思考が完全に停止して耳を澄ませている。
怖い…
どうしよう…
体が小刻みに震えていた…
この間のレセプションパーティーのパパの笑顔が浮かぶ。
ごめんなさい、もう絶対にこんな事しないから…
今回だけは許して下さい…
集中して耳鳴りの様な音を感じながら外の音を探す…
何も聞こえない…気のせいだったの?…
誰かが通り過ぎただけ?…
おっぱいと陰部を隠し、身を屈めながら、ゆっくりと音を立てずに個室から出て、外の音に聞き見を立てた…
ここから抜け出して早く自分の部屋に帰って安心したかった。
また一歩踏みだして入り口に近づき、抜け出すタイミングを計る…
やっぱり誰もいないみたい、一刻も早くここから抜け出さなきゃと入り口を飛び出そうと走り出す瞬間に入り口に誰かが立ち塞がった。
恐怖で「きゃー」と大きな悲鳴を上げた。
更にライトで照らし出された目の前の男を見て私は目を見開いた
マキちゃんのお父様…
開いた唇が震える…
「ごめんなさいっ!」
叫びながら、ふしだらな体を見られまいと両手で隠し、マキちゃんのお父様の横をすり抜け逃げ出す様に駆け出した。
トイレの裏側に回り必死で走った。
息を切らして苦しい…生垣の切れ間が見えたが、ワンピースの位置を見失い真っ暗な生垣を手で探り、生地に指が触れた瞬間、ギュッと握りしめ生垣に引っかかるワンピースを力任せに引っ張った。
裸のまま道に飛び出しマンションの裏口に逃げ込んだ私は壁に隠れる様に体を小さく丸め、しゃがみ込み、呼吸困難なほど荒れてる息を時間をかけて整える。
蒸す様な暑さで体中汗だくで額から流れてきた汗が目の中に入り染みる。
最後の深呼吸で落ち着きを取り戻し体をみると、片足は裸足で足の小指から血が出ていた。
もう止めよ…
こんなの危険だよ…
自分に言い聞かせていた。
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