「一緒にあそこまで行きなさい」
あの人が言った。
壁から手を離して振り向いた。
あの人が指差した方には、
天井に格子状に張り巡らされた
銀色のパイプからぶら下げられた拘束具があった。
その場所によたよた歩く。
一歩進む度にお腹の中の液体が波打ってお腹が痛い。
我慢しながら辿り着くと、
あの人は私の手首に拘束具をつけていった。
鏡に映る私は変態そのものだった。両の手は拘束具によって万歳する様に吊られ、口にはギャグボールを咥えさせられている。ギャグボールからは小ぶりな鎖が伸び、その鎖の先端に備え付けられたクリップは、私の乳首を必要最低限の優しさで挟み、嬲っている。
一歩引いて見れば、あの人のブログで幾度となく見てきた光景だ。なのに、いざ自分がその世界に放り込まれると、次に何が起こるのかさっぱり分からなくなった。
期待と不安で心を疼かせる私をよそに、あの人は慣れた手つきで電マをマイクスタンドの様な物に挟み、高さを調節して私のクリトリスに当てがった。少しひんやりしている。
「次はこれだね」
あの人は私の両脚の間、膝より少し低い高さの脚立を置いた。さらにその脚立の上に水色のポリバケツを置く。
「仕上げだよ」
そう言ってあの人は私の部活(体操競技部)のユニフォームである、レオタードをポリバケツに入れた。
思わず首を振る。ギャグボールに繋がったクリップが乳首を引っ張り痛みが走る。
お腹の中は渦巻いて声は言葉にはならず、
口からは音が漏れるだけ。
その様を見てあの人はニヤニヤ笑っている。
デジカメを三脚にセットしながら。
「それじゃあ、始めようか」
その一言共に電マのスイッチが入った。
淡い振動音、全身に立つ鳥肌。
その後を追うようにして快感がやってきた。
悶えれば乳首は嬲られ、
お腹が渦巻くことが分かっているのに、
悶えずにはいられなかった。
初めての電マは正確で残酷で気持ちよかった。
こんなに気持ちいいなんて思わなかった。
下腹部はみるみる熱く甘くなって、
免疫のない私の理性を蕩けさせる。
蕩けた理性は涙や涎、愛液として流れ落ちた。
それらは淫らで温かい。
視界は官能的に霞む。
その視界が不意に鏡に映る私を捉えた。
鏡に映る私は、
乳首を嬲られることなんて忘れて、
何度も顎を上げては身体を淫らにくねらせている。
そんな自分を見ると心も身体も昂って声が出た。
「んあぁ、んあ〜」
「こんな姿見て感じてんの?」
あの人が言った。
私は喘ぎ声を上げることしかできない。
「そんなに感じてると栓抜けちゃうよ?」
あの人に詰られてお尻の穴をキュッと締めた。
却ってアナル栓の形をはっきり感じて、
卑猥な気持ちになる。
「ほらもっと締めないと」
あの人がねちこく言いながら私の尻を叩く。
尻にパチンと弾ける音と痛みが走ってお腹に響く。
ただでさえ渦巻いて辛いのに余計に辛い。
「レオタードがどうなってもいいの?」
あの人がまた私の尻を叩いた。
レオタード、私の努力の結晶。
それを汚したくはない。
けど無理だ。
下腹部の快感はどんどん大きくなって、
渦巻くお腹の痛み比例するように強くなる。
もう無理。
そう思った瞬間、
私の頭は真っ白になり激しく絶頂した。
身体は三日月のように反って、
尻から下劣な濁音を撒き散らした。
尻から噴射された液体がレオタードに
噴きかかる様を想像した時、
私の心に湧いた感情は意外にも安堵だった。
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