二人きりのエレベーター。
そこであの人は「これからだよ」と囁いた。
期待、不安、羞恥心。
色々な感情が頭の中で
溢れた私はどうしていいか分からず、
首を傾げながらあの人を見つめ、手を握った。
ショッピングモールの一階に着いた。
地下駐車場とはうってかわって明るく、
客の賑わう声やそこかしこから流れる
店内放送によって活気に満ちている。
「ゆーなちゃん」
あの人が自分のiPhoneを見せてきた。
最新のiPhoneの画面には
「トイレでブラとショーツを脱いできなさい。脱いだやつは手渡しすること。ただし、嫌ならやらなくていいからね」と書かれていた。
視線をiPhoneからあの人に移すと、
あの人は悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「意地悪」と言って肘で腹をつつきたくなったが、
未知の行為への好奇心と身体の疼きには抗えず、
トイレの個室に入った。
さっと脱いで出ようと思ったが、
ショーツだけは脱ぐのには時間がかかった。
膝上丈だからふとした拍子に
すべてが開けっぴろげになってしまうと思うと
不安になってしまうのだ。
「嫌ならやらなくていいからね」
あの人の言葉が頭をよぎったが、
結局、未知の行為への好奇心と身体の疼きが
不安を上回った。
私は何食わぬ顔をしてトイレの個室から出ると、
あの人の所へ戻って、
バックまに入れていたブラとショーツを手渡した。
あの人はわざとらしく時間をかけて鞄にしまう。
「早くしまって欲しいです」
恥ずかしさと誰かに見られてはいないかという
ドキドキに耐えられなくなって言った。
あの人は私の反応を見て
より一層嗜虐心を強くしたのか、
意地悪く口角を上げて
「今、どんな気持ち?」と聞いてきた。
私は頬が紅潮していくのを感じながら
「ちょっと開放感があって恥ずかしいです」としか言えなかった。
下着をしまうと私たちは
一階フロアをゆっくり回った。
その間、あの人が話しかけてくるのだが
内容はちっとも入ってこない。
すれ違う人にチラチラ視線を送られる度、
バレてるような気がして、気が気じゃなかった。
心拍が強く鼓動して、身体が熱い。
「暑いの? 顔が赤いよ」
あの人が聞いてきた。
分かってるくせに。
内心で頬を膨らませた。
けれど、心には嬉しさと似た別の感情が湧く。
それが何なのか分からないまま目的地の
ファストファッションブランドのお店に着いた。
「もうちょと高いお店でもいいのに」
あの人は言ったが私は固辞した。
迷う事なく目当てのワンピースを選んで
試着室に入るとあの人からメールが来た。
「みっともないポーズをしながらゆーなちゃんの性感帯を指で差して写真を撮りなさい」
みっともないポーズ。
あの人のブログから推測するならガニ股のことだ。
抵抗はある。けれどその先が知りたくて服を脱いだ。
目の前には一糸纏わぬ私がいる。
白い肌、密かに優越感を抱いているおっぱい、
薄ピンクで小ぶりな乳首。
そして薄めの陰毛。
ありのままの私はゆっくり腰を落としながら
脚を開いていく。指はクリトリスを指した。
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