「亜美さんは、縛られたことはある?」
「昔、出会い系で会った人に軽く手首を縛られたくらいです。本格的なのはないです」と正直に返すと、ナオは続けた。
「その時、どう感じた?」
「少し…。無力な感じが妙に印象に残ってます」
「いいね。僕ならもっと深いところまで連れて行けるよ。SMにはまぁまぁ慣れてるからね」
その言葉に、亜美の心がざわついた。
ナオの経験が長いことは、安心感と危険な魅力を同時に与えた。
「僕の書き込みを読んで、どう思った?」
「怖いけど…私のクリトリスでもっと強い快感を味わいたいって思いました。大きめだから、もっと…いやらしくなりたいです」
「大きめか。それは楽しみだね。君の欲望、僕が丁寧に壊してあげるよ。でも、その前にルールを決めよう。僕は君を限界まで追い込むけど、本当に無理な時だけ使えるワードを決めておく。それを言ったら全てストップ、関係もそこで終わり。どうかな?」
亜美は少し考え、
「分かりました。ワードは…『赤』で」と提案した。
「了解。それ以外は僕が決める。信頼してついてきてくれるなら、君の望みを全部叶えてあげる」
数日にわたり、ナオは亜美の心を暴いていった。
「痛いのは好き?」
「我慢するのは得意?」
彼女の反応を確かめるように言葉を重ねた。
そして、ある日、決定的なメッセージが届いた。
「そろそろ会いたいね。君の大きめなクリトリスを、書き込み通りに執拗に責めてあげる。準備はできてる?」
亜美は迷ったが、疼きは抑えきれなかった。
「はい」 と返信したのは、夫が寝静まった深夜だった。
2.
「じゃあ、火曜の朝10時からこのホテルで。部屋番号は当日教えるよ。楽しみにしてる」
そのメッセージを読んだ時、亜美の心はもう引き返せない地点に立っていた。
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