<5話> 有利なんてない
「めっちゃ簡単にM男見つかって草」
「それねw」
「じゃあどうする?このあと。」
「そうだねー。まずは先攻後攻を決めようw」
「あ、先にどっちが飼うかってこと?」
「うん。ミキはどっちがいい?」
「えー。先だよね」
「…なんで?」
「だって後はなんかもう染まってるM男を自分色に染め直すわけだよね?不利じゃない?」
「確かにそうかもー」
「じゃあ、”先”を賭けてゲームでもして決める?笑」
「んー。じゃあ、あたしが後でいいよ」
「え?笑。琴葉、本当は私の奴隷になりたいんじゃないの?笑」
「違うよw。今回の計画は私が練ったでしょ?だからそれくらいはミキに譲らないとフェアじゃないかなって」
「なるほど。じゃあ、遠慮なく先はもらう。その代わり何をやらせてるかとかはきっちり伝えるし、予定通りやり取りは全部見せるね」
「おっけー」
もしこの時、私が「後がいい」と言ってたら。
きっと琴葉は譲らなかったかもしれない。
いや。彼女ならどちらでも勝利を収めることができるんだろうか…。
琴葉はいつもどこか余裕だった。
それもそのはず。
私は彼女の本当の実力に気が付いてさえいなかったのだから…。
6話へつづく
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