<2話>
「ミキが言う物足りなさって多分二つある。一つは家族同居の子だと制限があるってこと。でも、もう一つはね」
「うん。それだけじゃないの?」
「多分、あれだよ。もっと悲観してほしいんじゃない?」
「どゆこと?悲観?」
「前にさ、強気でプライド高い女の子がドMに堕とされていく小説を読んだことあるんだけど、やっぱり高い所から堕ちるから悲壮感がたっぷりなんだよね」
「あー。わかるかも。特にM男って出会った時からナヨナヨしてるし、それでこっちが命令して喜ばれてもねぇ...」
「だよねw」
「じゃあ、本当は従いたくないって子を堕とせばいいのかな?笑」
「かもしれないね。チャットで募集したらいるとは思うけど、募集に応募してる時点である意味矛盾してるよねw」
「たしかに笑。『本当は堕ちたくないけど宜しくね』って来てもね笑」
じゃあ、どうすればいいのか。
マンガじゃあるまいし職場の強気な女の上司の様な人の弱味を握って強請るとかはありえない。
これに関しては結局私たちは妙案を出せず、暫くの時が過ぎた。
そして数日後。
私の運命を決めるあのアイデアが琴葉から発せられる。
私は、それが罠だとは思わなかった。
3話へ続く
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