芙美子の回想 (7. おめこ券)
鬼正は、猛獣が捕まえた獲物をもてあそぶかのように、楽しそうに縄を解きながら私に話しかけました。「お前は自分でわからんやろけど、淫売になるために生まれてきたんやないかと思うほど、ええ道具付いてるんやで。 客のマラやケツの穴しゃぶったり、オメコとケツの穴でマラ締めるために生まれてきたみたいなもんや。今まで何してたか知らんけど、やっと天職に巡り会えたんや。有難く思わなあかんでえ。」
私は、オックスフォード大学ベイリオル・カレッジで啓蒙思想を研究して以来、自分の天職は慈善活動を通じて博愛主義を社会に広めることだと固く信じてきました。しかし、鬼正から排泄器官まで使って客に性行為を提供する売春婦になるのが私の天職だと宣告され、私の誇りと信念は完膚なきまでに踏みにじられてしまいました。
鬼正が私を後ろ手に縛り直そうと縄の束をつかんだ時に、金田正男が鬼正を呼び寄せ、二人の立ち話がはじまりました。
「来週から芙美子に客を取らせたいんだ。間に合わせてくれるか?」鬼正は驚いた様子で「なぜそんなに急ぐんでっか?ワシは芙美子を仕上げるのに2週間かかると見立ててましたんや。」と答えました。「実は面倒なことが起きているんだ。年末に2割引のクーポン券をおめこ券という名前で売り出したんだが、売れすぎてね。予約が取れないと客から苦情が殺到しているんだ。」
「おめこ券を買ったのは黄龍会の極道ばかりで、放っておいたら何するかわからない連中だ。それで、来週から芙美子に極道の客を毎日6人取らせたいんだ。実は予約も埋まっているんだ。」
鬼正はしばらく考えた後で「困りましたな。半端な仕上がりで黄龍会の極道にオメコされたら芙美子がツブされてしまいますわ。こうなったらシャブ使って芙美子を1週間で仕上げますわ。」と言いました。
私は、この時点でシャブという言葉が覚醒剤を指すとは知りませんでした。しかし、何か得体の知れない恐ろしい物が使われ、来週から毎日6人もの凶暴なヤクザたちとセックスさせられるということを知り、恐怖で体の震えを抑えることができなくなりました。
やはり、一刻も早く舌を噛み切って命を断った方がいいと思いましたが、先ほどから激しい尿意を感じ、その実行を阻んでいました。
鬼正は話を続けます。「それでお願いがあるんやけど、ワシに助手一人つけてくれまへんか?最初の48時間はぶっ通しで芙美子のオメコとケツの穴を調教せねばなりまへんのや。ワシも50過ぎて二晩徹夜はきついんですわ。」
すると金田は、思いもよらぬ返事をしたのです。「鬼正、そこにいる梅代を助手にしたらいい。こいつ案外、機転が効くからな。」
鬼正は嬉しそうに梅代さんの方を向いて「それじゃあ、よろしゅう頼むでえ。」と声をかけました。驚いたことに、梅代さんはニコニコしながら「こちらこそ、よろしくお願いします。私はお手伝いとして芙美子様にお仕えしてきましたが、まさか芙美子様を売春婦に調教するお手伝いをさせていただけるなんて夢にも思いませんでした。楽しみでワクワクしますわ。」と話しました。
私は梅代さんの返事に唖然とし、あまりの驚きで、しばらくの間、事態を理解できませんでした。
一方、尿意はますます激しくなり、小刻みに体が震えるのを止めることができなくなっていました。それに気付いた梅代は「あら芙美子様、おトイレを我慢なさっているのね。ずっと素っ裸にされてお体が冷えたのかしら。この後、48時間連続でお股の調教をお受けになるんだから、一度お出しになった方がいいわね。私がトイレにお連れいたしますわ。」と言って、私の背中に手を添えてドアの外に誘導しようとしました。
その時、鬼正の分厚い手が万力のような力で私の肩をつかみました。「ちょっと待った。淫売は、縄無しで一歩たりとも歩く自由はないんや」
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