残った男達を冴子は決した叱らなかった。苦難を共にしてきた仲間だ。脅されて買収もされれば気持ちは理解できる。
彼らにも家庭があるのだ。人員が減り議員活動も疎かになってきた。SNSである団体を名指しで攻撃もした。
浜中と関係の深いその組長は怒りを露わにし攻撃の手を更に強めた。辞めた女子事務員の中にも買収された者もいた。
拉致されて恥ずかしい目にあったとか冴子に嘘の話を訴えてきたのだ。
残った男達を集めて冴子は話した。
「富永さん、皆さんが脅され買収されていること冴子、承知しております。決して怒ってません。もしあなた達に良心が残っているなら
新しい就任先を世話し、まとまったお金も差し上げます。」
結局富永ともう一人は事務所を去って行った。残ったのは3人の独身の男達だった。
「いいのよ、正直に本心を言って。」
口ずさむ彼らに冴子は続けた。
「冴子が墜ちた姿を見たいのでしょ?」
「、、、実は新しい顧問弁護士を送るように言われてるんです、。」
「わかりました、浜中の手の中の人間なのね?送って頂戴。それと新しい秘書も必要ね。それと君たちは冴子が浜中の軍門に下ったなら
その後はどうするの?」
「先生、浜中先生のもとで下働きをします。」
「そう、、それを聞いて冴子安心して墜ちることが出来るわ。君は?」
「私は田中議員の元で政敵の田中さんのもとで、、、貴女を、、、」
「冴子を辱めるのね、、、聞いてるわ、彼団鬼六のファンなんですって。いたずらにその作家の書いた小説を言えに送って来たわ。
ヒロインと同じ目に合わせてやるって。差し詰め君は調教主かな?」
「いえ、私は助手で冴子先生の、、、下の世話とかを、、、。」
「あなた達と話していたら冴子頭がボーっとして来たわ、、もう、、今の内に冴子が軍門に下ったって連絡して頂戴、、。」
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