【山本部長 報告したい事があります。詳細は添付をご覧ください。】
業務中に義雄が、久美子にメールした。
『何なの一体、報告があるなら朝の会議ですればいいのに。』
久美子は、面倒臭そうに義雄のメールに添付されていたファイルをクリックした。
すると動画が立ち上がり、再生が始まる。
『何、これは。』
どこかのオフィスが映し出される。
しばらくすると、久美子の表情から段々と血の気が引いていった。
久美子のデスクは皆んなに向かっている為、PCに何が映し出されているかは他の者にはわからない。
義雄は、久美子の表情が明らかに変わっていくのを自分のデスクから見て、
『おっ、見てくれたみたいだな。ふふふ。』
『ど、どうしてこれが…。』
画面は、久美子が裸になっていく様子を映し出している。
久美子は、音が漏れそうになり、咄嗟にミュートにする。
義雄のデスクや今日子のデスクに股間を擦り付けている姿が流れる所で、動画を止めた。
目線を義雄の方に向けると、知らん顔して仕事をしている。
『こんなの送りつけてきてどうするつもり。』
久美子は、義雄を睨んでいたが、不安な気持ちでいっぱいだった。
終業時間が過ぎ、部員達が帰り始めた時、
「お、小田課長、ほ、報告書の件で、少し残ってもらえるかしら。」
いつもの威勢は影を潜め、申し訳なさそうに久美子が言った。
「え、ああ、いいですよ。」
義雄は、素気なく答えて仕事を続けた。
今日子が帰ろうとした時、久美子の言葉が耳に入った。
『報告書って何かしら?』
ひょっとしたら、義雄が何か抜け駆けでもしているのではないかと気になった。
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