『第九章』
もはや、姿見やカメラを通して、もう一人の自分に蔑みながら見られていることなど、頭の片隅にもなかった。
ただただ。反り返った疑似チンポで犯される被虐感に酔っていた。
『いいんですね。結菜様・・・愛美は、ああぁぁーー、愛美は・・・・』
しかし、それ以上、愛美は言葉を続ける事などできなかった。
そして、言葉が途切れてから数秒後、疑似チンポを最も奥まで突っ込んだと同時に、激しく振動するロータが吹き飛び、茶色い浣腸液と無数のウィンナーをぶちまけてしまう!!
凄まじい音がバスルームに響き渡る。
『ああぁぁぁぁーーーーっ!』
そして、個室の中に大便の匂いが充満していく。
浣腸の苦しみを味わっていた時には、自分のおしっこの匂いを嗅ぎながら興奮していた愛美だったが、さすがにこの便の匂いは強烈だった。それだけに、強烈な惨めさが愛美を包み込んでいく。
そんな時、第二波である便意に襲われ、それに抵抗する術もなく脱糞してしまうのだが、その際に、大きくて湿ったような「おなら」が出てしまった。
これは、エネマシリンジで浣腸した際、最初に浣腸液が入る前に空気が入ってしまったのと、最後に液が無くなってからもゴム球を握っていた為である。
『はぁぁぁっ・・はぁぁぁっ・・・はあぁぁぁっ・・・』
愛美は暫くの間、じっくりと惨めさを味わいながら、恍惚感に酔っていた。
すると、押し込まれていたディルドがズリズリと抜け落ち、バスマットの上に転がる。
それほどの時間、そんな状態のままじっとしていただろうか?
さすがにこのままの状態でいつまでも居られるはずもないし、出来るだけの変態プレイをするつもりだった愛美は、ゆっくりと目を開けると、身体の向きを変えて、自分が起こしてしまった惨状を見ることになる。
『あなたには、堪えられないでしょうね。・・・愛美。』
愛美は、カメラのレンズを見詰めて語り掛ける。
しかし、もう一人の彼女からの返事はなかった。
愛美は、まだ動いていたローターとディルドを拾い上げ、シャワーを使って軽く洗ってからタオルで拭く。そして、ウィンナーの全ても洗面器に拾い上げ、それにもシャワーを掛けて洗う。
その間、茶色く臭い液体はそのままの状態だったけれど、ようやく意識が正常に戻ってきたのを機に、一気にシャワーで流していく。
風呂に湯を張る時点で換気扇を回していたので、シャワーで洗い流してしまえば、すぐにも匂いは消えていくはずである。
そして最後に自分の身体にシャワーを浴びてから、風呂に入ることにする。
ゆったりとした気持ちで湯船に浸かる愛美だったが、身体は満足している訳ではなかった。特にアナルに入れたのは、指一本と比較的単純なローターだけであって、まだ本格的なアナルバイブを使ってはいない。
愛美にとって最大の懸念は、華蓮達の手によってアナルの快感を、嫌と言うほど身体に教え込まれてしまったことではない。
そうではなく、自分の意思でアナルオナニーをしてしまうような変態女へと墜ちて行くことが、最も恐ろしいことだった。
もちろん、彼女たちに責められる以前、イチジク浣腸のノズルで悪戯をしていた頃から、アナルが過敏であることや、快感までも感じることを知っていた。
しかし、決して一線を越えようとはしなかった。
だからこそ、あの出来事から二週間ほど経っても、あのバッグを開けようとしなかった。
それなのに、イチジク浣腸ではなく、ガラス浣腸器を使ってみようとしたのが、そもそも間違いに元だったけれど、もはや精神的な限界を迎えていたのだろう。
そして、あのバッグを開けてしまった時点で、こうなるであろうことは分かっていた。
もはや、愛美に逃げ道など無い・・・と言える。
しかし、愛美は自分自身を納得させようとする口実だけは、欲しかった。
これまでの自分であり、周りの人が知る愛美と、アナル責めばかりか屈辱的な責めに興奮してしまうマゾ女である愛美がいることを、最低限、認めること。
そして、限られた空間、限られた空間の中でだけ、マゾ女愛美を解放してやる。
そこで十分に満足することで、社会的な意味の日常的な生活を、これまで通りの愛美で居られるはずだ・・・と。
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