ガムテープで塞がれた口の中で、私は声にならない声を絶え間なく呻かせていた。
身体の自由の全てを槌奪されている、私に残されている抗いの手段はそれだけしか
なかったのだ。
自分なりには、大きな呻き声を出していると思ったのだが、その必死な呻き声も、
私の身体の下から、容赦なく突き上げてくる竹野の責めに、私のその声は途中で空し
く中断されるのだった。
どのくらいの時間だったのかわからなかったが、あるところで、私の背筋にビクン
という電流のようなものが走り、頭と足先にまで伝わり、思わず私は気持ちを狼狽え
させた。
それは、私が内心で怖れていたおぞましい感覚だった。
女として長く感じることのなかった官能の愉悦が、名前も知らなかった男の卑怯で
狡猾な姦計に嵌った、この場所でどうして淫靡に想起されるのか?
胸の中に慙愧と悔恨の思いは増すばかりだったが、、そのことを意識すればするほ
ど、自分の理性の判断とは違う方向にいってしまう悪循環の坩堝を、私は卑猥なつら
ぬきを受け続けながら危惧していた。
今はしかし、そんな尤もらしい理屈に耳を傾ける猶予は、私にはなかった。
竹野の私の下腹部へのつらぬきは、強くもなく弱くもなく単調だったが、執拗なく
らいの丹念さがあった。
観念と屈服が近づきつつある私の表情を、竹野は見逃さなかった。
両手で私の両足を抱え込みながら、腰の律動を丹念に繰り返していた、竹野の動き
がふいに止まったかと思うと、片手で徐に私の口のガムテープを剥がしてきた。
ガムテープを剥がされて、私はすぐに大きな深呼吸をした。
だが私の深呼吸は一度だけだった。
竹野の汗にまみれた顔が、唐突に私の顔に近づいてきたかと思うと、いきなり厚い
唇で私の唇を塞いできたのだ。
驚きのあまり、私は目を大きく開いたが、竹野の味噌っ歯から出た粘りけのある舌
が、苦もなく私の歯と歯の間を割って侵入してきた。
発作的に私は顔を反らし、竹野の舌から逃れようとしたのだが、その私の動きを妨
げたのは、
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