翌日、祖母が帰ってきたのは昼過ぎだった。
帰った早々、祖母は野良着に着替え、椎茸小屋の湿気が心配だと言い残して
いそいそと出掛けて行った。
昨日、祖母から僕に話があるといっていたので、気も漫ろになって待ってい
たのをはぐらかされたような気分になって、僕は不貞腐れた気分で、室の畳に、
寝転がり悄然としていた。
祖母が帰ってすぐに居間で顔を合わせたのだが、昨夜の外泊の詫びをいうだ
けで、後はなしの礫だった。
「何だよ、冷やかしかよ」
と天井板の木目に向かって、拗ねた声をぶつけた。
不貞腐れ気分のまま、傍にあったパソコンを引き寄せ、僕はまた例の尼僧の
妄想半分かも知れない日記の画面を開いた。
何となく去年の年末頃の日付を探した…。
続く
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