(祖母・昭子 番外編 6)
「お、お義母さん…」
ベッドの上で剥き出された裸身を、白いシーツで包みながら正座していた多鶴子の前に、横の
ベッドから弾き出されてきた婿の茂夫が、痩身の身をさらに細めて、義母の多鶴子に縋りつくよ
うな気弱な視線を向けてきて、小さな声で囁いてきた。
兄貴分らしい狐目の男と坊主頭の男二人は、最前まで茂夫がいたベッドに並ぶように座り込ん
で、生贄の親子二人のほうに、素っ裸の身でだらしなく、煙草の煙を燻らせながら、卑猥で好奇
な視線を投げつけてきていた。
義母と婿の二人は、どうにも逃れようのない事態に追い込まれていたが、年長者でもある多鶴
子のほうに、まだ気丈な気持ちが残っているらしく、
「し、茂夫さん、き、気持ちをしっかり持って。は、早く済ませてここから帰りましょ」
と目の前でしょげ返っている、婿の茂夫の目に訴えるようにいった。
「さすがお義母さんはしっかりしてらっしゃる。そうだよ、何もあんたたちを煮て食おうって
んじゃねえんだよ、俺たちは」
横のベッドから横槍を入れるように、兄貴分の狐目の男が、貫録を見せるように煙草の煙を大
きく吐きながらいってきて、
「お義母さん、そこまでしっかりしてるんだったらよ、ほれ、あんたの息子のムスコがよ、す
っかりしょげてしまってるから、お義母さんのお口でげんきにしてやんなよ。おい、茂夫、そこ
に立て」
、と突拍子もない下劣な要求を続けていってきた。
「そ、そんなことできません!」
多鶴子は男に憤怒の目を吊り上げて叫ぶようにいった。
と、その目の前で、茂夫が肩を窄ませておずおずとした動作で立ち上がるのを見て、多鶴子は
唖然とした顔になった。
早く済ませて帰るといったのは自分であることに、多鶴子はそこで気づいたように力なく顔を
伏せた。
その多鶴子の顔の前に、手をだらりとさせて茂夫が立ち竦んでいて、嫌が上にも茂夫の剥き出
しになった股間のものが、彼女の視界に鮮明に入ってくるのだった。
内心で妖しげに動悸が高まるのを必死で堪え、多鶴子は恐る恐るの仕草で、茂夫の股間で萎え
きっている、巨大で長尺なものに手を添えていった。
茂夫の握れ切れないほどのものに触れた瞬間、どくんと血流が脈打つのを多鶴子は感じ、また
思わず顔を伏せた。
卑猥な視線を剥き出しにして、好奇な目をこちらに向けている男二人のことは、いないものと
割り切って、多鶴子は手で握り込んだものにゆっくりと口を添えていった。
男たちの下卑た嘲笑の声が耳に入ったが、その恥辱の思いを振り切って、多鶴子は口を大きく
開けて茂夫のものを含み入れていった。
唇が裂けそうなくらいの圧迫が多鶴子を襲ってきた。
忽ち、口での呼吸が困難になり、うぐうぐと多鶴子は声にならない声で苦しげに呻きながら、
茂夫のものを咥えていたのだが、多鶴子の口の中で茂夫のそのものは、まるでそれが単体の生き
物であるかのように、怒張と硬度が増してきていることを気づかされ、戸惑いの思いを強くして
いた。
「すげえ、またでっかくなってきてやがる!」
坊主頭の男の声が多鶴子の耳を過ったが、そのことを誰よりも実感しているのは自分だった。
口に太くて長いものを含み入れ、顔を前後に動かしながら、目を上に向けると、茂夫の申し訳
なさげな顔が多鶴子の目に入った。
多鶴子はどうしてやることもできないまま、ただこのおぞましい時間が早く過ぎることだけを
念じ、ひたすら恥辱の行為に没頭した。
「あ、ああっ…お、お義母さん」
何かに堪えかねるような気弱な声を漏らした茂夫の顔を、多鶴子はもう一度見上げ、そこで口
の中で太く固く怒張しきった茂夫のものから口を離した。
自分からベッドに横たわり、茫然と立ち竦んでいる茂夫に小さな頷きを見せて、早く横になる
ように促した。
茂夫が膝を曲げて、多鶴子の下半身のほうに座り込んできて、白くむっちりとした彼女の太腿
に手を置いて、左右にゆっくりとおし拡げてきた。
多鶴子はベッドに仰向けになって、両手で顔を覆い隠しながら、茂夫に身を委ねていた。
茂夫の顔が気弱な表情のまま、多鶴子の剥き出された股間の付け根に、唐突に埋まり込んでき
た。
顔を手で覆っていた多鶴子の口から、短い驚きの声が漏れて、色白の裸身が急に波打つように
揺れ動いた。
茂夫の舌が、剥き出しにされた多鶴子の一番敏感な箇所を、なぞるように這ってきたのだ。
その部分の湿り気を多くしておかないと、自分のこの巨大なものは入らないということを知っ
ての茂夫なりの気配りの行為だったが、それでも多鶴子に与える刺激は大きかった。
「あうっ…」
婿の茂夫の舌が上下に何度も動き、堪らずに多鶴子は出してはならない喘ぎの声を漏らした。
横のベッドに陣取っていた、男の誰かの感嘆したような声が多鶴子の耳に入った。
茂夫の身体が動くような気配があった。
開いていた多鶴子の両足がさらに広げられたかと思うと、茂夫の固い塊のようなものの先端が、
尖りのないまま彼女の肉の裂け目に触れてきた。
ここで多鶴子の思考が二つの両極に別れた。
ああ、私は犯されるのだわ、と多鶴子は心の中で恥ずかしく呟いた。
組長宅での、あの夜の衝撃を多鶴子は人知れず思い起こしていた。
激痛を伴う圧迫と摩擦が、間もなく自分の胎内で生じるのだ。
その激痛か苦痛に、私は堪えなければならない。
それを堪え忍べたら、あの時と同じ無上の喜悦が私の全身を襲う。
女としての官能の赤い炎に包まれ、身を焼き尽くし果てるのだ。
だが、それはしかし、茂夫と二人だけでいてこそであって、下卑た男たちの好奇な目の前では、
絶対に見せてはならない情欲の感情表現だった。
男たちの下劣な視線の前に、女としての恥ずべき醜態を晒すことは、どんなことがあっても回
避しなければいけなかった。
短い時間の中で、多鶴子の人としての理性と、女の本能が格闘し、葛藤を繰り返した。
そんな多鶴子の苦悩を知る由もない、茂夫の固い塊の皮膚が、少しひんやりとした感触で、多
鶴子の下腹部の柔らかな肉の裂け目に、押し込むように強く触れてきた。
多鶴子は両手で顔を覆ったまま、奥歯を強く噛み締め、間もなく襲い来る強烈な圧迫と、激し
い摩擦の激痛に堪え忍ぶ心構えを持って、目を深く閉じた。
「ああっ…」
顔を覆っていた多鶴子の両手が、弾け飛ぶように左右に広がり、多鶴子の高い咆哮の声が無機
質なツインルームの室内を揺るがすように響いた。
横のベッドにいた二人の傍観者の男たちも、驚いたように顔を見合わせていた。
茂夫の塊の先が多鶴子の胎内に少し沈んだ時、予想していた圧迫と摩擦の抵抗からくる激痛よ
りも早く、先にめくるめくような快感の集合体が、彼女の全身を一気に攻め込んできたのだ。
「あっ…な、何なの…こ、こんな!」
何かの言葉を続けようとした多鶴子だったが、喉の奥が詰まったような状態になり、声が続か
なかったのだ。
自分が自分でなくなるような、言葉では例えようのない快感が、多鶴子の足先から脳髄までを
一気に駆け巡り、身体と心に大きな狼狽えと戸惑いが同時に走っていた。
自分の身体の上に覆い被さってきている茂夫に、多鶴子は驚愕の目を向けて、そこでも何かを
いおうとしたが、開いた口を魚の口のように震わせて声にはならなかった。
茂夫は義母の多鶴子の気持ちを気遣ってか、腰の動きを止め、憐憫するような目で彼女の顔を
見下ろしていた。
多鶴子もまだ僅かに残っている理性を縁にして、襲い来る恐悦の快感に堪えようと歯を食いし
ばったが、自らの胎内に突き刺された茂夫のものは、強烈な圧迫と、堪えがたい喜悦を伴う摩擦
の二つの刺激で、忽ちにしてっ崩壊の憂き目に遭った。
「し、茂夫さん…も、もっと突いて!」
見開いたままの目をさらに大きくして、哀願するようにいった。
多鶴子の理性が途絶し、本能で更なる快感を求める声になっていた。
茂夫の腰がゆっくりと動き出すと、それに多鶴子の喘ぎと悶えの声が、呼応するように間断な
く漏れ続いた。
傍観者の二人の男たちの、好奇に満ちた下卑た視線が、多鶴子の意識から遠のき出していた。
まるで波状攻撃のように押し寄せてくる、めくるめく快感の坩堝の中に、真っ逆さまに墜ちて
いく自分の姿が、自分の目にも見える感じだった。
「あっ、ああっ…も、もうどうにでもして!」
汗の滴り出た顔を上下左右にうち振るって、誰にいうともなく、多鶴子は絶叫に近い声を挙げ
て、がっしと掴み取っている、茂夫の二の腕辺りに深く爪を喰い込ませた。
「し、茂夫さん…す、好き!」
「お、お義母さん、ぼ、僕も!」
「あ、あなたが…ほ、ほんとに好きよ!」
真上にいる茂夫の目に向かって、思い詰めたような声でそういって、多鶴子は白い裸身を激し
く痙攣させて、息を引き攣らせるように意識を途絶えさせた。
「すんげえ、よがりようだな」
「お、女がこんなに激しく、白目向いて逝くとこ見たの、お、俺、初めてですよ」
「根っからの好きもんだぜ、この叔母さん」
「あれだけ太いのぶち込まれたら、みんなこんなになるんですかね?」
二人の傍観者たちの、驚きの表情を露わにした、そんな下品なやり取りは、意識を彼方に飛ば
している多鶴子の耳に入るわけもなく、茂夫のほうも多鶴子の身体に、折り重なるように突っ伏
していて身体はピクリとも動かなかった。
「あ、兄貴、も、もう一丁、おもしれえことしましょうか?」
坊主頭の男が吸っていた煙草を灰皿に揉み消しながら、卑猥な笑みを浮かべながら狐目の男に
いった。
「何だよ、まだ何か作戦あるんかい?」
「へへ、組内の若いのが、面白い道具持ってたんで、今日のためにちょい拝借して来たんです
よ」
坊主頭がにやけた声でそういって、ベッドの下に置いてあったバッグを引き寄せ、中からシリ
コンのような素材で作られた、人肌色の棒状の柔らかなものを取り出してきた。
見ると、長さは五十センチほどで、先端はどちらも男性のその部分の亀頭を模した形に作られ
ている性具のようだった。
その形を見て兄貴分の狐目はすぐにピンときたらしく、坊主頭に下卑た笑みを浮かべながら、
「これで、こいつら二人を、義理じゃなくてほんとの親子として繋いでやるってか。ふふ、お
前も相当な好き者だな。おもしれえ、やろ」
と調子に乗った声でいった。
多鶴子と茂夫の二人は、まだベッドに折り重なったままで、二人の傍観者の下劣な姦計のやり
取りは耳にも入っていないようだった。
兄貴分の目配せで坊主頭がのっそりと動いて、隣のベッドに身体を移した。
ぐったりと多鶴子の乳房の上に、顔を伏せ込んでいた茂夫の背中を叩いて、
「おい、兄ちゃん、まだ終わっちゃいないぜ。次のステージだ。そこで四つん這いになるんだ」
と目をぎらつかせながらいって、強い力で腕を掴み取ってきた。
茂夫の痩身の裸身を軽々と起こし、ベッドに膝と両手をつかせた。
この坊主頭の男に最初に抱かれ、茂夫は臀部の尻穴をつらぬかれ、その後、休む間もなく自分
が義母の多鶴子の身体に覆い被さり、熱い迸りを放出した。
重く惨めな疲労感が全身に蔓延しきっていた茂夫だったが、その場で強い拒絶の声も挙げれず、
不承不承の思いでベッドに四つん這いに這った。
「も、もう…許して」
それだけが茂夫の唯一の気弱な言葉だった。
多鶴子も同じように身体を揺すり起こされて、意識もまだ茫漠とした状態で、剥き出しの臀部を
茂夫と向かい合わせるようにして四つん這いにされた。
多鶴子と茂夫の向かい合った臀部付近に、坊主頭は胡坐座りをして、片手に持っていたシリコン
製の柔らかい異物の両先端に、もう一方の手に挟み持っていた容器からねっとりとしたローション
を抽出して、突 き出された茂夫の臀部の奥に塗り込めてきた。
多鶴子のほうは、自分が何をされるのかもわからないまま、夢遊病者のような惚けたような表情
で、男にいわれた通りの姿勢をとっていた。
坊主頭がローションでン熟れそぼった、シリコン製の性具の先端を持って、茂夫の臀部の奥に突
き立てていた。
「兄貴、いきまっせ」
そういって男の手が動いた。
「あっ…ま、また!」
茂夫が短い声を挙げて、痛みか刺激に堪えるように顔を激しく歪めた。
シリコン製のその性具は、ローションの滑りのせいもあってか、茂夫の臀部のかなり深い部分に
まで埋没したようだった。
狐目の男がいつの間にか動いていて、四つん這いの姿勢で顔を伏せていた、多鶴子の前に剥き出
しの下腹部を突き出すようにして、膝立ちをしていた。
z容態で そのことに気づいた多鶴子は、顔をさらにベッドのシーツに深く沈め込んだが、男に乱暴に髪の
毛を掴まれて顔を上げさせられると、鼻先に男の下腹部のものがグロテスクな光沢を放って、半勃起状態
で垂れ下がっていた。
多鶴子の顔が誰にいわれるともなく、男の下腹部に近づいていき、片手を添えるようにして、口の中に
含み入れていった。
多鶴子の身体の中のどこかで、情欲の炎はまだ埋火のままで燻っているようだった。
長く地方公務員として、ひたすら真面目に勤め上げてきた、実直な履歴の誇りや面影は、今の多鶴子の
どこにも見受けられなかった。
還暦を過ぎた年代で、図らずも性の喜悦の奥底を知らされた、多鶴子の理性の復活はまだ遠いところに
あるようだった。
飢えた牝犬が骨身をしゃぶりつくすように、多鶴子が男のものに奉仕を続けていた時、自分の臀部の、
それも全く思ってもいなかった箇所に、激しい痛みと圧迫と摩擦の全部が一気に襲ってきて、悲鳴のよう
な絶叫を挙げて、思わず全身を硬直させていた。
排泄の機能しかないと思っていた尻穴に、唐突に人間のものに似た感触の異物が、何の予告もなく押し
込められてきたのだ。
この時、多鶴子は咥えていた男のものを口から出して、濡れそぼった棒状の部分に舌を這わせていた。
口の中にもし含んでいる時だったら、間違いなく多鶴子の歯は、男のものを噛みちぎっていたかも知れ
なかった。
「な、何っ?…何を」
多鶴子は思いも寄らない箇所に、痛みと女として生まれて初めて感じた刺激に、狼狽えを露わにして身
を捩じらせようとしたが、坊主頭の男の大きな手が彼女の尻肉を、がっしりと掴み取っていて、何一つ動
くことができなかった。
多鶴子の後ろのほうから、誰かの呻き声が絶え間なく聞こえてきていた。
婿の茂夫の悶える声だった。
「あ、兄貴、どうです?きちんと親子が繋がりましたぜ」
多鶴子と茂夫の間に座り込んでいた、坊主頭の男のしてやったりというような、軽薄な声に、
「ああ、いい眺めだ」
狐目の男は満足げな声を返して、
「横から見たほうがいいな」
とさらに続けて、隣のベッドに身体を移した。
裸身を晒し無様な四つん這いの姿勢で、人肌色をした一つの性具で繋がっている光景を、真横から好奇
と猟奇を入り混じらせたような、卑猥な目で見つめていた狐目の男が、
「おい、カメラでこれ撮っとけ」
と坊主頭に指示して、
「俺ァ、もう堪んねえわ」
狐のように細い目をぎらつかせながらそういって、また前のベッドに飛び移っていった。
恥辱の晒し者となった、多鶴子と茂夫の二人は、自分の意思で卑猥な性具から、逃げようと思えば不可
能ではなかったが、同じような被虐の思いが二人の身体と心を、知らぬ間に包み込んできていて、四つん
這いの無体な姿勢を崩すことができないでいた。
そのままの姿勢で、多鶴子は狐目の男の、茂夫のほうは坊主頭の男の下腹部への愛撫を強要され、二人
ともに白濁の迸りを、口の中深くに放出されたのだった。
多鶴子と茂夫の二人が、淫獣のような男たちから解放されたのは、それから一時間ほどしてからのこと
だった。
ふらつきながら歩く多鶴子の手を取って、ホテルの入り口を出ると、外には薄い夕闇が降りていた。
「…わ、私たち、これからどうなっていくのかしら?」
雑多な人が行き交い、声か音かわからない、猥雑なざわめきが耳を打つ歩道を歩きながら、多鶴子は顔
を俯けながら独り言のように呟いた。
茂夫にすぐに応答する言葉は見つからなかった。
自分でもその答えがわからないでいたのだ。
「でも…」
と聞こえないような声で、茂夫は口を開き、
「ぼ、僕が、お義母さんをどんなことがあっても守っていきます!」
横を歩いていた人の何人かが、顔を振り向かせるような強い声が、茂夫の口から飛び出していた。
多鶴子の驚いた顔が、茂夫の目に向けられた時、歩道の信号が青に変わり、人の群れが一斉に動き出した。
歩道の真ん中あたりで、多鶴子が、ありがとうといった言葉が、茂夫に聞こえたのかどうかはわからなか
った。
同じ刻限の頃、茂夫の妻の由美は、都心部の高級ホテルのレストランで、一人の男と向かい合っていた。
暴力団組長の春日だった。
春日に、会いたい、と連絡を入れたのは、由美のほうだった…。
が、
「」
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