【マンションの共有ルーム】
ロの字にテーブルが並べられ、正面に美紀、反対側に由紀子と真由美が座り、両サイドに舞原、米倉、藤原と伊野、小池、天海の奥様達が座っている。
全員が、このままセレブパーティーに行ってもおかしくない服装をしていた。
俊樹との差を見せ付ける為に、美紀が皆んなに指示していた。
美紀「皆さん、お忙しい中、お集まり頂きありがとうございます。」(社交辞令)
舞原「緊急って言うから、別の用事があったけどこっちを優先して来たのよ。何かしら。」(本当は暇を持て余している)
美紀「前にお話しした変質者の事を覚えておられますでしょうか。」
米倉「もちろん覚えてるわよ。あれから夜中に外出を控えるようにしてるんだから。」
皆んなが今日の目的を知っていた。
ただ、美紀と由紀子以外は、由紀子は変質者の正体が誰だか知らないと思っているので、由紀子に対して少しオーバーめのリアクションをとっている。
由紀子は、それを心の中で笑っていた。
由紀子の心の中『あら、米倉さんの奥さん、この前夜中にエレベーターで会ったじゃないの。』
美紀「先日、見回り中にとうとうその変質者を捕まえました。」
全員「え~っ、本当!」
美紀「今日は、本人から皆さんに謝罪したいと言う事なので集まって頂きました。」
由紀子「ここに来るのね。どんな顔してくるんでしょうね。」
由紀子以外の奥様の心の中『まあ、よくも呑気に、貴女の旦那よ。』
美紀「変質者は、このマンションの住人でした。本人にも家族があり、家族には罪はないから、覆面を被ってもらってます。」
舞原「でも、家族なんだから連帯責任なんじゃないの。ねえ、真田さん、どう思います?」
由紀子に向かって、少し嫌味じみた問いかけ。
由紀子「当然よね。家族の顔も見てみたいわ。」
由紀子以外の奥様の心の中『そんな事言っていいの。後で、恥をかくわよ。』
由紀子の心の中『私だって、知ってるのよ。そんなに勝ち誇った顔しなくていいわよ。』
美紀「では、黒川さん、連れて来て。」
美紀が、部屋の外にいる瞳に声をかけた。
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