由紀子が実家から帰ってきて、美紀とランチをしている。
「で、どうだった。あの人、夜中に外出してた?」
「もう、バッチリよ。でも、安心して浮気なんかじゃなかったから。」
「そ、そうなの。じゃあ、何だったの?」
「それがね、うふふふ。」
美紀は、笑みを浮かべて由紀子の顔を見る。
「何よ、もったいぶらないで教えて。」
「驚かないでよ。」
美紀は、スマホを取り出し、テーブルの上に置いた。」
「な、何。」
「し・ょ・う・こ。」
「証拠?」
由紀子は不安な気持ちで、スマホを見つめている。
「見ててね。」
美紀は、微笑みかけて動画を再生し始めた。
黙って動画を見ていた由紀子の顔色が段々と赤くなってくる。
「な、何なのこれは!」
「よく見てて。」
「あっ、!このショーツ。」
動画の中の男が穿いてるショーツに見覚えがある様だ。
その男の顔が映し出される。
「あ、あなた!」
もしかしたらと思ったが、予感は的中した。
「ご主人にこんな趣味があったなんてね。人は見かけによらないって言うけど本当よね。」
「・・・。」
由紀子は言葉が出てこない。
「それでね、私も楽しませてもらおうと思って。」
「ど、どう言う事?」
「昨日の昼間、由紀子さん、ご主人に電話してきたでしょ。その時、私、ご主人のそばにいたの。これ見て。」
美紀は、スマホの表示を変えて、写真を何枚か見せる。
「ま、まあ!」
①俊樹が全裸で犬の首輪が巻かれている。
②四つん這いでリードを引かれている。
③ショーツを被り、ちんぽを扱いている。
由紀子は、次々に見せられる俊樹の姿に唖然とした。
「私にも、こっち(S)の気があって、ご主人に動画を見せて問い詰めたら、まんまと堕ちちゃったってわけ。」
美紀は、悪びれるわけでもなく、由紀子を諭す様に話していく。
「そ、そんな。」
由紀子は、怒りとは別の、身体の中から湧いてくる熱い感情を抱いていた。
それが何なのか、自分でもよく分からなかった。
「あ、でもね、誤解しないで、由紀子さんからご主人を取ろうって事じゃ無いのよ。私が、ご主人をしっかりと調教して、由紀子さんに戻してあげようと思って。」
「ちょ、調教って!」
由紀子の身体が、さらに熱くなってきた。
「由紀子さんには、まだ分からないかもしれないけど、私にはわかるの。由紀子さん、私と同じ匂いがするの。」
「お、同じ匂いって…。そんな…。」
由紀子は、自分では認めたくは無いが、以前からSの自分が心の奥底に潜んでいるのではという事を感じていたので、美紀の言葉を強く否定する事が出来なかった。
「まあ、しばらくは、今まで通りにご主人に接していて。時々、報告を入れるから。」
俊樹とは、レスになってから長く、仲が悪いと言うわけでは無かったが、お互いの行動は無関心だった。
かと言って、浮気されるのは嫌だった。
俊樹の以外な性癖に戸惑いつつも、由紀子の中にもざわつくものがあり、美紀の提案を受け入れる事にした。
※元投稿はこちら >>