『今、私って、全裸よね。周りの人は服を着てるというのに、ああ…、こんな事って…。』
スクリーンの明かりが身体を照らし自分の姿を実感する。
隣で、真由美の様子を見ていた瞳が、
「興奮してるわね、こっちにも伝わってくるわよ。もし、今、地震でもあって逃げなくちゃいけなくなったらどうする?」
真由美の耳元で囁く。
「そ、そんな事、い、言わないで。」
真由美の身体が段々と熱くなってくる。
瞳の指が、真由美の腿を撫で上げてくる。
「ああ、だ、だめよ、ひ、ひとみさん。」
真由美は、瞳の手の動きに、閉じていた両膝が開いていくのをどうする事もできなかった。
クチュクチュ、クチュクチュ。
映画の音が響く中、真由美の耳には、瞳の指が動くたびに出てくる音が、しっかりと聞こえていた。
「真由美さん、すごい。シート汚しちゃうわね。」
「ああ、い、いや、も、もうやめて。」
「本当にやめてもいいの。」
「・・・」
声を押し殺して、悶える真由美。
『も、もう、どうにかなりそう。』
場内には、エンディング曲が流れ始め、画面はエンドロールが映し出されている。
「もう、終わるわよ。」
真由美は、瞳の声で我に返った。
「そのままでもいいけど。」
「えっ、あっ、い、いや、瞳さん、ふ、服を。」
急に恥ずかしさが込み上げてくる。
瞳は、ブラウスとスカートを、真由美に手渡した。
「あ、あの、下着は?」
「ちょっと暗くてわからないのよ、いらないならいいけど。」
真由美から奪い返そうとすると、
「い、いえ、大丈夫です。」
場内が明るくなる前に、服を着なくてはと思い、ブラウスとスカートを身につけた。
明るくなると、瞳が、
「うふふふ、真由美さん、乳首が勃ってるわよ。」
ブラウスの突起を指摘されると、真由美は、両腕で胸を覆った。
「い、いや、言わないで。」
瞳は、席を立つと、さりげなく後ろを振り向き、美紀と目を合わせた。
席の後ろに落とした真由美のショーツをそのままにして、
「真由美さん、出ましょうか。」
真由美は、恥ずかしそうに俯いて、瞳の後をついて出口に向かった。
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