俊樹は、家に帰って来てからも興奮が冷めやらなかった。
自分が思い描いていた以上の刺激と興奮がベッドに入っても頭の中から抜けていかなかった。
いつの間にか眠ってしまい、翌日、目が覚めたのは昼前だった。
まだ、少し寝ぼけた感じでリビングへ行くと、
「おはよう、よく眠ってたわね。」
由紀子が、立っていた。
「あ、うん、昨日、疲れちゃって。それより、帰って来るの早かったね。夜になるかと思ってたけど。」
俊樹は、由紀子の顔を見ると、少し後ろめたい気持ちになり、目を逸らした。
「まあ、今回は付き添っただけだからね。昨日は、ごめんなさいね。どうだった、自治会の方は?」
由紀子は、俊樹に代役をしてもらった事を気にしていた。奥様達ばかりの中で居心地が良くないだろうと思っていたから、様子を聞いてみた。
「え、ああ、うん。由紀子の言った通り隅っこで大人しくしてたよ。」
俊樹は、平静を装って返事をしたが、内心は、
『あの人達が漏らしたらどうしよう。』
という不安でいっぱいだった。
「澤村さんにも、挨拶しておかなきゃ、ちょっと行って来るわね。」
俊樹は、由紀子が玄関へと向かうのを止めようかと思ったが、返って怪しまれてもと思い、由紀子の背中を見送った。
由紀子が帰って来るまでの間、俊樹は、落ち着かないでいた。
「美紀さんが、何を話し出すか心配だな。言わないとは思うけど。」
それほど長い時間ではなかったが、俊樹には長く感じられる時間が過ぎた。
玄関のドアが開く音がして、足音がリビングに近付いて来た。
「あなた!」
由紀子の声に、思わずドキッとして、
「な、なに?」
俊樹は、由紀子が何を言い出すのか、心臓が飛び出そうな思いで、由紀子の顔を見つめた。
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