「では、本日は、これにて終了とします。後片付けは、私と黒川さんで行いますので、皆さんはお帰り頂いて結構です。お疲れ様でした。」
美紀が、自治会の終了を告げた。
「お疲れ様でした。」
と言って、すぐさま部屋を出て行く者もいれば、
「でも、驚いたわね、あの不審者が、真田さんだったなんて。」
「エレベーターで会っても愛想良くしてくれたのにね。」
「心の中では、何を思ってたかわからないわよ。」
井戸端会議的に、ヒソヒソと話してる者もいた。
もちろん、俊樹は、残ったままだった。
「お、お疲れ様でした。」
真由美が、美紀達の方を見ながら、『私は、帰っていいの』という雰囲気を漂わせながら挨拶をする。
美紀としては、俊樹の事が想定外で、真由美をもう少し晒してやりたかったが、返ってこれくらいの方が良かったかもという思いも有り、
「お疲れ様でした。次もよろしくね。」
意味深な言葉を返した。
井戸端会議をしていた役員達も帰り、部屋には、美紀と瞳、そして、俊樹の3人が残った。
俊樹は、ショーツを穿くことは許されたが、その他の衣服は許されず椅子に座っていた。
「それにしても、トシがショーツを穿いて来るなんてね。それもご丁寧にあの時の。」
美紀が、俊樹のショーツを見ながら言うと、
「本当よね、私も、舞原さんに指摘されるまでは、気付かなかったわよ。」
瞳も、美紀に同調する。
「初めから脱がされるってわかってたんでしょ。それなのに…。」
さらに、美紀が言うと、
「わ、私も、あの時のショーツだという意識はなくて。」
俊樹が、申し訳無さそうに言葉を返す。
美紀や瞳に、迷惑をかけた訳でもなく、自分の正体がバレてしまったというのに。
「でも、ショーツ姿は、見られたかったって事よね。」
瞳が、尋ねると、
「は、はい。男性アイドルが脱ぐなら、奥様達も興味あるかもしれませんが、おじさんが裸になっても興味ないんじゃないかって思って。皆んなの視線を浴びたかったんです。愛嬌で済むかなって思ったんですけど。」
俊樹が、下を向いて話した。
「愛嬌で済む訳ないでしょ、あんなに勃起させちゃって、確かに視線は集めてたけど、皆んな蔑んだ目で見てたわよ。もう、あの方達に頭が上がらないわね。写真も撮られちゃったし。」
「そうね、舞原さんの表情見た?すっかりトシを見下しちゃって。」
「そう言えば、トシのショーツに真っ先に気が付いたの、舞原さんだったわよね。気を付けなさいよ、トシ。何をされるかわからないわよ。」
美紀と瞳の言葉が、俊樹に降り注ぐ。
「でも、大丈夫かしら?写真まで撮らせちゃって良かったの、美紀さん。誰かに見せちゃう人もいるんじゃないの?」
「そうね、ちょっと不安はあるわね。もう少し、私と瞳さんで楽しみたかったけど、でも、楽しみ方は色々出てきたわよ。」
「美紀さんったら、そういうの考えるの天才ね。ほんと関心するわ、私なんてまだまだだわ。」
「瞳さんも、直ぐに追いつくわよ。私より凄くなったりして。」
二人の会話を、下を向いたまま聞いていた俊樹は、美紀と瞳にはわからない様に、そっと両手を股間の上に置いた。
突き上げる感触が手のひらに伝わってきた。
「あっ、それから、トシ、田村さんにも謝っておかないとね。すんなり負けりゃいいものを、あんなに恥かかせちゃって、それを見て、本人の前で勃起させるなんて、田村さんも、トシの事、軽蔑してたんじゃないかしら。」
美紀の言葉に、俊樹は、
『そんな事言ったって、言われた通りに出しただけなのに』とは口に出来ずに、
「申し訳ありませんでした。」
と、頭を下げた。
美紀は、あくまでも、真由美は被害者という印象を俊樹に与え、自分達が、真由美もコントロールしていた事は明かさなかった。
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