ベルトに手をかけて躊躇する俊樹に向かって、瞳が、
「どうしましたか、真田さん、早くお願いします。」
と促す。
『そんな所で戸惑ってる場合じゃないでしょ、何をグズグズしてるのよ。』
美紀も、内心イライラしてきた。
「わ、わかりました。」
ベルトを外してズボンに手をかけた俊樹の頭の中に、昨夜の思いが蘇る。
『明日は、奥さん達の前で辱められるんだ。野球拳なんて、きっと負ける様に仕組まれてるに決まってるもんな。全部脱ぐまで許されないんだろうな。』
頭の中に、本性の自分が出て来る。
『でも、それで願望が叶うんだろ。女の人に見られたかったんじゃないの。美紀さんが、正々堂々とそれが出来る舞台を作ってくれたんだよ、感謝しなきゃ。自分は恥ずかしくて仕方ないけど、ゲームに負けたんだから仕方ないって顔してりゃ良いんだよ。』
『そ、それはそうだけど、やっぱりいざとなると思ってるのとは違うしな。』
自分の中で、理性と本性のせめぎ合う。
『どうせなら、…。』
本性が出した提案が、理性を抑えてしまった。
俊樹は、ズボンに手をかけると、一気にずり下ろし、両足から抜き取った。
ズボンくらい早く脱げばいいのに、という雰囲気で見ていた役員の誰かが、
「あっ、あれっ!」
と、俊樹を指差す。
「ま、まぁ。」
他の役員も、開いた口に手を当てる。
『そういう事だったのね。』
美紀は、俊樹が躊躇っていた理由を悟り、微笑んでいる。
俊樹は、女性もののショーツを履いていたのだ。
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