「裏口から出ましょうか。」
マンションの裏に出ると、通りは薄暗く自販機の灯りが街灯代わりになっている。
「ここはマンションに用事がある人しか通らないから、この時間なら大丈夫よね。さあ、お散歩よ。」
由紀子が薄暗い通りに出て歩き出した。
「どお?一人でする露出と。」
「一人だと、周りが気になってドキドキよりもビクビクな感じだったけど、由紀子が居てくれる事でドキドキだけになって興奮するよ。」
バシッ!
いきなり、由紀子の平手が俊樹のお尻に入った。
「由紀子様でしょ、まだ口の利き方がなってないようね。」
「ああ、申し訳ありません。由紀子様、お許しください。」
「ふふふ、お仕置きよ、ここに立ってなさい。」
二人は自販機の前まで来ていた。
薄暗い通りの中では、自販機の灯りが一際目立っていた。
「えっ、こ、ここで、ですか?」
「そうよ、マンションのベランダから見られるかもね、私がいいと言うまでここにいるのよ。私は、向こうから見てるわね。」
由紀子は、マンションの方に戻って行った。
俊樹は、急に心細くなってきた。
もし、一人でしていたなら、物音が聞こえただけでも直ぐに何処かに隠れただろう。でも、今は、由紀子の命令という事で、由紀子が戻ってくるまでは、何があってもこの場を動かないと心に決めた。
マンションを見ると、まだ窓に灯りが付いている部屋も何軒かある。
もし、ベランダに出たり、窓を開けて外を見られたら、きっとわかってしまう。
そんなドキドキに興奮していた。
由紀子は、マンションの裏口から俊樹の様子を見ていた。
「動こうとしないわね、根っからの変態だったのね。これからどうしようかしら。」
由紀子は、そんな由紀子の後ろ姿を見ていた視線がある事に、その時は気が付かなかった。
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