リビングのドアが開くと由紀子が入ってきた。
俊樹「お、おかえり。」
俊樹が気まずそうに声をかけるが、由紀子は黙ったままで食卓に腰掛けた。
由紀子「あなた、ちょっとこっちに来て座って。」
漸く由紀子が口を開いた。
俊樹「あ、ああ。」
俊樹は、言われるままに食卓に由紀子と向き合って座った。
由紀子「これにハンコ押して。」
由紀子は、そう言うとテーブルの上に1枚の用紙を置いた。
俊樹「こ、これは!」
俊樹は、用紙を見て直ぐに由紀子の顔を見た。
由紀子「そうよ、離婚届よ。これにハンコ押してちょうだい。」
俊樹「え、そ、それは、昨日の事は謝るから、考え直してくれないか、頼むよ。」
由紀子が相当怒っている事は、俊樹もわかっていたが、いきなり離婚届を突き付けられるとは思っていなかったので、かなり焦った。由紀子の怒りがそれほどなのかという事を重く受け止め謝るしかなかった。
由紀子は、表情を変えずに話し始めた。
由紀子「私はね、役員さん達の前で大恥をかかされたのよ。変態の正体が私の夫だったなんて、私までそんな目で見られてしまうじゃないの。私は、あなたとは違うのよって言う事を皆さんにわかってもらわないと、ここに住んでいられないじゃないの。わかる?」
俊樹は、すまなそうに俯いている。
由紀子が続けて話す。
由紀子「私の中では、あなたと夫婦という同等の立場のままでいる訳にはいかないの。私もケジメをつけたいのよ。」
俊樹「も、もちろん、俺も由紀子が役員さん達から変な目で見られる事は申し訳ないので、俺から説明するから考え直してくれないか。家を追い出されたら行く所ないし。」
由紀子「変態のあなたが説明したところで誰が信用するのよ。それに家を出て行ってとは言ってないわよ。」
俊樹「えっ、だって、離婚って。」
由紀子「離婚届にハンコを押してって言ったのは、もう夫の扱いはしないわよって言う事よ。ハンコを押した離婚届は、私が預かっておくわ。あなたには働いてもらわないといけないしね。ただいつでも役所に出す事が出来るって事、忘れないでね。その時は、たっぷりと慰謝料を請求させて頂きますからね。」
俊樹は、少しホッとしたが、
俊樹「そ、それで、夫の扱いはしないってのは?」
由紀子「あなたには、私のペット奴隷になってもらうわ。もちろん、あなたに拒否権はないわよ。」
俊樹「ぺ、ペット、ど、奴隷!」
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