部屋に入ったお母さんが、はっ!と息を飲むのが聞こえたような気がした。
お母さんは一瞬入口のところで立ち止まったが、直ぐに「碧ちゃん!」と呼ぶと碧のところに駆けてきた。
碧はお母さんと目が合わせられなかった。
顔を俯け目を閉じたまま、小さな声で
「ごめん..なさい..」
とつぶやいた。
きっとお母さんから怒られる..。
頬を何度も叩かれても仕方ない..、そう思った。
ところがお母さんがしたことは、さっき先生がしたのと同じ、碧の唇へのキスだった。
「碧ちゃん!ごめんなさいね。
碧ちゃんが何も問題ない良い子だって思い込んでて。
碧ちゃんだって、苦しんだのね!」
そう言うと、お母さんはその場で自分の着ていた物を次々と脱ぎ始めた。
碧は苦しい中、驚いて顔を上げ、裸になろうとしているお母さんを見つめて言った。
「なぜ...?」
お母さんに代わって、横で優しい微笑みを浮かべた理事長先生が言った。
「お母さんが母親として自分の責任を取るのよ。
碧ちゃんみたいな良い子を生んだのに、その碧ちゃんが苦しんでいるのに気がつかなかった責任。」
碧は身体を木馬の背で割り裂かれる苦痛の中で、必死に訴えた。
「私が、碧が悪いの..!
お母さんは、悪口ない!」
しかしお母さんはローヒールを脱ぎ、グレーのスーツの上着、スカートを次々と脱いでいく。
清楚な白のブラウスを脱ぐと、下はやはり清楚な白のスリップだった。
そのスリップの生地よりまだ白いお母さんの肩が剥き出しになる。
そのスリップも、肩紐を外され床に落ちていった。
後に残ったのは、いかにも主婦らしいベージュの揃いのブラとショーツ、そして薄いパンストだった。
お母さんの指がパンストに掛かる。
「先生..、お願いです!
お母さんを、お母さんを裸にさせないで..!」
碧はお母さんに呼び掛けても無駄だと思い、お母さんの恩師でもある理事長先生に懇願した。
でも、無駄だった。
「百合子さん、あれから30年近く経つけど、昔のままだわ。
本当にきれい..。」
理事長先生は、むしろうっとりした表情で裸体になりつつあるお母さんの身体を見つめている。
やがて、お母さんの豊かで形の良い胸と、碧を生んだ腰を包んでいた二枚の下着も、お母さんの肌から離れていった。
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