理事長先生はじっと碧を見つめている。
この子にこの試練を与えて良かったのだろうか?
賢い子だから、あのまま放置していても、本当の変態になったりして人生を誤ることもないのでは?
でも、私はこの子のお母さんの時と一緒で、やっぱりこの子が欲しいの。
試練を与えて、可愛がって、やがては幸せになって欲しい。
ああ、あと一枚が脱げないのね。
目にいっぱい涙を溜めてるわ。
その気持ちは十分分かるわ。
貴女もこんなところは、普通の思春期の女の子なのね。
どうしても脱げなかったら、この子への体罰は取り止めましょう。
惜しいけど仕方ないわ..。
ところが、理事長先生が驚いた事に碧は目尻から涙を流しながらも、ショーツに掛けた手を動かした。
膝まで下げると、右足から上げてショーツを抜いた。
そして左足。
脱いでしまうと、素早くそのショーツを小さく畳み、椅子の上のキャミソールの下に隠すように差し込んだ。
そして両手で胸と下を隠して理事長先生の方を真っ直ぐ向いた。
緊張の限界に近い顔だわ。
目を見開いて、目尻からは涙を流しながらも、顔全体は無表情に近くなっている。
なんて健気なの..。
そして、その無表情の碧は乾いた声で言った。
「先生、言われたとおりに、私脱ぎました。
体罰をお願いします。」
理事長は頷くと、碧を先日モニターを見せた部屋と反対の部屋に導いた。
ドアを開けると、ガランとした部屋の真ん中に木馬があった。
イラストで見たものより高さは低いかもしれない。
それでも碧や普通の日本人の女性が跨げば、足先は床に届かない程度の高さはあった。
そして、それは、あまり新しい物には見えなかった。
厚い板で作られたらしい尖った背中部分は、何度も磨かれたような年季の入った色をしていた。
ああ..、やっぱりこれなんだ..。
私の運命なんだ..。
碧はその木馬を見ながら、何故かそう思った。
もちろん鉄棒などと比べたら、最初から女体を痛くするために作られた形が禍々しかった。
その尖った背中は、かなり急な鋭角となっている。
そしてちょうど女の子の大切な所が触れる部分は、明らかに周囲より黒ずんでいた。
「恐い?」
理事長先生が聞く。
「はい..」
碧は正直に答えた。
「そうよね。これを見て恐がらない女の子はいないと思うわ。」
理事長先生は木馬の尖った背中に白い少し厚目の布を敷こうとした。
清潔の為と言う理由と、拷問を受ける女の子へのせめてもの情けと言う意味もある。
しかし理事長先生の手が急に停まった。
「ここをご覧なさい。」
木馬の鋭角の背中の一ヶ所を指差す。
「この染みは、貴女のお母さんのよ。」
あっ!お母さんも..、この三角木馬を耐えたんだ。
「とても健気だったわ..。
どうしてもダメだったら、途中で許しを乞いなさいと言ってたのに、最後まで耐えたのよ。」
理事長先生は、懐かしげにそっと呟いた。
その染みを隠すように新しい布を敷くと、理事長先生は碧の両手を後ろに回すように言った。
「手首を縛るわ。
あと、胸にも縄を回します。
裸で縛られるなんて、とても屈辱的な事だけど、耐えてちょうだい..。」
そう言いながら、理事長先生は器用に碧の手首を後ろの腰の辺りで縛り上げた。
続いて貧弱な碧の乳房の上下から挟むように二本の縄が胸に巻かれる。
巻き付けた後、ちょっとだけ力を込めて縄をしごくようにした。
「うっ..」
つい碧は呻いてしまった。
我慢出来ない程痛かった訳ではない。
しかし両手を後ろで縛られ、今また胸に縄を巻かれると、本当に縛られてしまったんだ..と自分の立場が改めて思い知らされたのだ。
理事長先生の態度も、悪戯に碧を恐がらせたり不安にさせたりするものでは無かった。
「大丈夫?
これは貴女を痛くして苦しめるためでは無いわ。
貴女が変に暴れたりしたら、かえって危ないからそれを防ぐためでもあるの。
きつかったら、すごく緩めてあげるわよ。」
そう気を使ってくれたが、碧は黙って顔を横に振った。
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